のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

京都滋賀大三角形・その1

京都、奈良、大阪、和歌山と、国宝建造物を撮影して巡ってきました。
近畿二府四県で残っているのは滋賀と兵庫。
滋賀はちょくちょく行くので、けっこう国宝建造物も知ってる…つもりでしたが、改めて調べてみると、意外とまだ行ったことのないところがたくさんありました(^^;)
特に神社に知らないところが多い。
滋賀で神社といって思い浮かべるのは、多賀大社近江神宮に、先日参拝した白髭神社に…あとどこだっけ?
近江国一之宮は大津にある建部神社ですが、行ったことない(^^;)
そんなわけで、まだまだ知らない湖国、ここからは滋賀の国宝建造物のあるところを改めて周ることにしました☆

で、最初に行こうと思ったのが神社ではなく比叡山延暦寺
不滅の法灯を守る根本中堂が国宝です。
もう10年以上参拝しておらず、直近で参拝したのは夏の万灯会だったと記憶しています。
夜間で根本中堂の写真もPC上にみあたらず。
たぶんその前になるとフィルムカメラ使ってた頃じゃないかと。
一方で、かねてから「叡山電鉄~ケーブルカー・ロープウェイ~比叡山~ケーブルカー~京阪石山坂本線京津線」という京都滋賀大三角形鉄道ルートで乗り鉄してみたいと思っていました。
いい機会だから試してみよう☆
で、問題なのはどこからスタートするのが一番効率的か?ということ。
調べると、ケーブルカーの始発は朝9時とのこと。
延暦寺の参拝開始時間も9時なので、乗ってる時間が惜しい。
そこで、滋賀・坂本のケーブルカー駅の近所にちょうど日吉大社があって、同じく9時から参拝できるというので、まず朝一番で日吉大社に参拝して、そのあと坂本ケーブルカーで比叡山延暦寺、そして京都側に降りて電車で坂本に戻ってくるという計画を立てました。
それではれっつごう♪

日吉大社崇神天皇7年にこの地に創祀されたというとっても古い神社ですが、比叡山と同じく京都の鬼門に位置することから、平安遷都・延暦寺開山後は都と比叡山の鎮護と方除けの社として尊崇を受けてきた神社です。
若いころよく湖西方面をドライブして京都に帰る際、坂本を抜けて湖西道路や山中越えの峠道に向かう途中で鳥居をくぐる道があったのを覚えています。
何度も通ってその鳥居が日吉大社のものだと知るようになりましたが、参拝したことはありませんでした(^^;)
改めて国宝建造物を調べてて、日吉大社の東本宮と西本宮の本殿が国宝と知り、京都滋賀大三角形巡りに加えたというわけです。
近くの観光駐車場が無料というのもスタート地点として最適(ちょっと遠いけどw)。
で、朝8時すぎに到着、観光駐車場にクルマを停めましたが、満車になる寸前ですべり込みセーフ(^^;)
そういやきょうはコロナ緊急事態宣言が解除されて最初の日曜日でした。
しかも絶好の行楽日和の快晴で、駐車場にはキャンピングカーも停まってたりして。
最初から計画が狂わなくてよかったw。
で、参拝時間開始の9時に合わせて西本宮に向かいます。
最初に出くわしたのが山王鳥居
ほかではちょっとみられない不思議な形がおもしろい☆

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日吉大社・山王鳥居

この形はやはり比叡の山を象ってるのでしょうか?
古事記には比叡山を「日枝の山」としており、「日吉」も「ヒエ」と読まれます。
京都にも「日吉神社(いまひえじんじゃ)」がありますね♪
そして日吉といってもうひとつ思い浮かべるのが豊臣秀吉
幼名を「日吉丸」といったといいます。
日吉大社のトレードマークも神猿(まさる)です。
ご神体ともいうべき比叡山にたくさん住んでいたというおサルさんが神聖視されたのだろうと思います。
豊臣秀吉のサルというあだ名は実は猿に似てたというより幼名の「日吉丸」の名がそうさせたのかもしれません。
実際に似てたとしたらなおさらですねw。
西本宮の脇に実物のおサルさんがいますが、檻に入れられててちょっとかわいそう(^^;)
朱塗りの楼門にも四方におサルさんが♪

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楼門のおサルさん

拝殿の奥に「日吉造」という独特の形をした本殿があります。
現存の本殿は天正14(1586)年に再建されたもので、慶長年間にも改修されているそうです。
比叡山焼き討ちの15年後、本能寺の変の4年後、豊臣秀吉の関白就任の1年後。
なかなか興味深い歴史の流れです。
そんな社殿の脇、狛犬が昇殿されてますw。
外に出すとサルとケンカするからなのかなw?
ほかではみたことのない様式でおもしろい☆

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日吉大社西本宮本殿

次の国宝がある東本宮に向かって歩いていくと、同じ日吉造の社殿がいくつもあります。
宇佐宮白山宮、そして東本宮の前にも樹下宮
どれも本宮よりは少し小さい社ですがとても立派です。
そして例外なく社の上に狛犬w。
東本宮の本殿、西本宮に負けず劣らず大きく荘厳。
西本宮本殿が改修された慶長年間に造営されたとのことで少し新しいようですね。
その慶長年間といえば秀吉が亡くなる直前です。
豊国神社と合わせて、神格化されていく秀吉との関係を思わざるにはいられません。

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日吉大社東本宮本殿

日吉大社はいにしえからの山岳信仰に始まり、京の都創建と延暦寺の開山、さらに天下人・豊臣秀吉によって神社の格が上がっていったのではという気がします。
山の緑が美しく境内も緑に覆われ、紅葉の名所としても知られますが、神話・歴史と合わせて考察すると本当に興味深い日吉大社でした。

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猿の霊石

つづく。