のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

ちょっと国宝、のはずが…

去年くらいから京都に限らず近畿二府四県の国宝建造物を中心に散策・撮影を続けています。
その成果をみてもらえるように、このブログ上で二府四県別で国宝建造物「まとめ」を作成しています。
そのために今まで撮影してきた写真をざっと確認中。
「まとめ」には可能な限り新しい写真を掲載するつもりですが、よりコンディションのいい時に撮影したものにしたいと考えています。

で、過去の写真をざっとみわたして。
あれ?京都・伏見区日野の法界寺の写真がない。
撮影しに行ったのは覚えてるんだけど…
何でだろ?
考えられるのは、10年ほど前にPCの外付けハードディスクを落っことしてぶっ壊してしまって、バックアップをまだとってなかった1年分ほどの写真をパーにしてしまったことがあります。
その中に含まれてたのかな?
奈良から大阪、和歌山と国宝建造物巡りを敢行してきましたが、同時進行で京都でまだ撮影してない(写真が残っていない)国宝も随時撮りに行かなくっちゃ。

そんな中での夜勤明け、絶好の秋晴れ、快晴☆
夜勤明けであまりムリはできませんがこれ以上ないコンディションなので1カ所くらいは行けるでしょう。
そう考えて写真がみあたらない法界寺に行くことにしました。

通称「日野薬師」と呼ばれる法界寺は平安時代からの古刹です。
藤原北家の日野一族伝来の薬師如来の小像を胎内に収めた薬師如来立像がご本尊。
ですが、このお寺の国宝建造物はその薬師さまが安置されている薬師堂ではなく、となりの阿弥陀堂です。
あまり広くない境内ですが、どっしりした構えの檜皮葺の堂宇が荘厳な雰囲気。
堂内は剥落があるものの彩色が施され、仏像の四方の柱には曼荼羅仏が描かれています。
そこに安置されている丈六の阿弥陀如来坐像も国宝。
平等院鳳凰堂阿弥陀さまと並び称される定朝様の仏像はまぁるく柔らかな表情をされていてとても美しい☆
なお、ご本尊の薬師さまは現在東京の博覧会に出張中とのことです(^^;)

f:id:noririn_0610:20211002094235j:plain
法界寺阿弥陀堂と薬師堂

さて、まだ朝の10時です。
夜勤明けなのでそんなにムリもできないんですが、あまりに青空がキレイなので、もう少し撮れるものを撮っておきたいな~♪
で、思い立ったのが法界寺の北にある醍醐寺
これまでの写真を確認してたら、上醍醐にある2つの国宝建造物の写真もないことに気づきました。
せっかくだから行っとこか?
山登りだけど行っとこか?
夜勤明けだけど行っとこか?
ええい、行っとけ!

というわけで醍醐寺へ。
春に五重塔などの国宝伽藍や三宝院庭園を撮影したので、今回はそちらには目もくれず、上醍醐に向かいます。
二王門の脇を抜けて、女人堂からおよそ1時間の山歩き。
上醍醐には西国三十三所結縁ご開帳の時に一度上ったことがあります。
ご開帳の直前に札所の准胝堂が落雷で焼失してしまいました。
仏像の准胝観音は無事で、下醍醐の金堂で公開されていました。
でも、もともとの准胝堂がどうなっているのかみたくて上ったのでした。
アニメで知った(笑)初心者トレッキングで、でムリせずのんびり。
三丁、八丁…確か一番上は十六丁くらいだったっけ?
十五丁、あと少しのハズ…とヒイヒイいいながら、ふと頭上をみやるとひらひらちょうちょが飛んでいます。
あ、アサギマダラ
ひょっとして「がんばれ~」って励ましてくれてる?(^▽^;)
十六丁で到着…ではなく、ここから少し楽ちんな下り坂。
寺務所や最初のお堂は十九丁です。
その最初に眼にするお堂が国宝の清瀧宮拝殿
山の鎮守の清瀧権現の拝殿です。
樹々に覆われて建物そのものがちょっとみづらいですが、荘厳な社殿に山の緑が美しいです☆
前に来た時は…国宝建造物といっても写真が撮りづらかったからスルーしたのかな?(^^:)

f:id:noririn_0610:20211002112425j:plain
醍醐寺清瀧宮拝殿(上醍醐
f:id:noririn_0610:20211002113410j:plain
清滝宮本殿

さらに石段を登っていくと西国三十三所第十一番札所・准胝堂…のあった場所ですが、いまだ更地で何もありません(^^;)
再建予定地という立て札のみ。
いつ再建されるんでしょうねぇ?

f:id:noririn_0610:20211002113723j:plain
准胝堂再建予定地

どんどん進んで、国宝の薬師堂
お堂を目にして、思い出した!
前に来た時、この薬師堂にスズメバチの巣ができちゃったせいで参道が封鎖されて、近寄れなかったんだ!
当然写真を撮ることもできなかったのです(^^;)
端正なたたずまいのお堂は上醍醐山内最古、保安2(1121)年の建造だそうです。

f:id:noririn_0610:20211002114306j:plain
醍醐寺薬師堂(上醍醐

そして開山堂如意輪堂、「五大力さん」の祭事で有名な五大堂
立派な堂宇ですが、これらもかつて焼失したりして再建されたものなんだとか。
で、ひと巡りしてベンチで休憩してるとまたアサギマダラがひらひら。
おつかれさ~ん」って言ってくれてるのかな?(^▽^;)
さあ下山しようと歩きはじめたらまたひらひら。
山の中でフジバカマなどの花もみあたらず止まってくれないので写真には撮れませんでしたが、逆にもうこうなると何かしらの縁を感じずにはいられませんw。
また来いよ~」っていってくれてるものと勝手に思うことにして下山したのでありました。
入山受付のある女人堂に戻って、受付のおばちゃんと少しお話。
ワタシが生きてる間に准胝堂の再建はないと思うわ」とのこと。
沖縄の首里城の件もあって、万全の防火体制が構築できないと再建が認められないらしい。
実際准胝堂の火災の時も山の中で消防車は近づけず、手作業の消火では手のほどこしようがなかったそうです。
クルマ1台かろうじて通れる道があるそうですが、それを拡張しないとどうしようもない、と。
確かにそもそも建設資材を入れるのも難儀しそうな場所ですから、道を開かない限り難しそうですね。
改めて文化財保護と安全確保の難しさを感じます。
そして下醍醐の門に今もある落書きを複雑な気持ちでみながら醍醐寺をあとにしたのでありました。

帰りに少し遅くなった昼食は法界寺、醍醐寺と同じく伏見区の「フカクサ製麺食堂」で「おさかな鶏白湯・チャーシュー大盛り」ふんわりやわらかいお味のあわあわカプチーノ白湯スープにミディアムレアチャーシュー、中太自家製麺も\(^▽^)/ウマウマ~☆
山登り後の塩分補給にもラーメンは最適ですねw。

f:id:noririn_0610:20211002202944j:plain
おさかな鶏白湯・チャーシュー大盛り@フカクサ製麺食堂

夜勤明けにちょっぴり散策しようと思ってたのにけっこうなボリュームになってしまいましたw。
そうしたくなるほどのみごとな秋晴れの一日でした。
あしたの休みもおんなじくらいイイ天気だといいな~♪