のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

戦争法案と平和憲法

安保法案:反対の波 全国300カ所で集会・デモ毎日新聞
http://mainichi.jp/shimen/news/20150831ddm001010174000c.html

正直、今回のデモをどう評価すべきか、判断に迷うところがあります。

本来、ボクは改憲主義です。
自衛隊憲法にちゃんと規定すべきだと考えています。
日米安保だの集団的自衛権だの、そんなものは二の次で、本来日本の防衛は日本が自ら行うべきだと考えています。
しかるに、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」という憲法9条の条文があるにもかかわらず自衛隊が存在するのは、「死刑」を「死刑ではない」といっているのと同じです。
解釈でどうとでもなる法律などあってはならない、そんなものの存在を許せば国民の順法精神が破壊されると考えるからです。

また、憲法9条を守ることが日本の平和を守るなどというおめでたい考え方にも賛同できません。
そもそも、戦後70年日本が平和だったとも思っていません。
隣国に自国の領土を奪われ、自国民を拉致され、それでも戦争放棄の名の下に泣き寝入りしてきたのがこの70年間だったと思っています。
この事実をもって、何かあったらアメリカが守ってくれるなどというのも嘘っぱちだと思います。

で、今回の安保法案について。
憲法を改正せずに戦争をするためのものと思えて仕方ありません。
はっきりいってしまえば、財政が悪化しているアメリカの戦力を補うために、代わりに自衛隊を使うためだけにある法律としか思えません。
アメリカにいいように使われるだけのものです。
首相が国内で法案を提出するより前にアメリカで安保法案を秋までに通すといってのけるくらいですから、その意図は明白といっていいでしょう。
日本の安全保障のためにはアメリカからどんな無理難題をふっかけられても追従するべきだと思っているならはっきりそう言えばいいのに言わないから、何を言っても説明不足なのです。

しかし、これまでもそうだったように、アメリカが、日本との間に領土問題などを抱える中国や韓国、北朝鮮を相手に日本とともに戦ってくれるとは到底思えません。
特に領土問題については自分たちで解決しろといわれておしまいでしょう。

さらに、日本自身も主体的に自国の安全保障に関する諸問題を考えているとも思えません。
一方の味方につくということは、もう一方の敵になることだという覚悟が今の日本にあるのでしょうか?
ISによる人質事件は記憶に新しいところですが、アメリカの味方につくことでテロの標的になる覚悟が、日本の政治家や国民にあるというのでしょうか?

そんな中、憲法学者が国会でハッキリ安保法案は違憲といってのけたのは痛快な出来事でした。
要は、政府は筋道を踏み外したのです。
戦争をできるようにしたいのであれば憲法改正を進めるべきで、姑息な拡大解釈法案を強硬に採決、成立させようとするべきではないのです。
今回のデモについて判断に迷うといったのは、法案に反対という部分で持論との一致をみるものの、憲法を守れといっても守るべき部分が違うというわけです。
現行の日本国憲法を範囲の中で必要な手続きを経るべきだ、というのがボクの意見です。

デモでどんなに人が集まろうと、数の力はそんなところではなく選挙で示す必要があります。
原発反対運動のときにもそれを痛感しました。
このようなデモにみる民衆のエネルギーが選挙の際に発揮できればと思いますが、その受け皿たる政党が存在しないというのが現状でしょう。
国会前の群集をみていると日本の新しい力の胎動を感じますが、それを最大限発揮するためには既存の政党・政治家は不要どころか邪魔な存在です。
この混沌の中からまったく新しい政治が生まれることを期待します。