第十五段
どこであっても、しばらく旅をしていると目が覚めるような思いがします。
旅先をあっちこっちとみてまわって、田舎道や山里を歩けば、たくさんの新しい発見があるのです。そして、都に送る手紙に「あれやこれや、時間があるときにやっておくように」なんて書き添えれば格好いいですね。
そういう場所でこそ、何事にも心の感性が高まるのです。身につけているものなども、よい物はよくみえ、芸達者な人や美男美女は普段よりも輝いてみえます。
お寺や、神社に内緒で引きこもってみるのも、やはりおもしろいものです。
第十六段
神楽は優雅で大変趣深いものです。
よく響いて音が聞こえてくる楽器は、大和笛とひちりきの音色ですが、いつまでもずっと聴いていたいのは、琵琶や琴の音です。
第十七段
山寺に参篭して、御仏にお仕えすることほど、退屈せず、心のにごりも清らかになる気分がすることはありません。
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短い段が続くので3つ続けてのご紹介です。
ボク的に、京都で散策してて一番和めるのは先日も行った大原の里だったりします。
田舎道に時折みつける四季折々の草花。
社寺も趣深く好きな場所が多いところです。
みなさんのオススメ散歩道はどこですか?
※写真は葵祭、ひちりきを奏でる陪従