第八段
人の心を迷わすものといって、色欲に勝るものはありません。人の心なんてたわいないものです。
女の香りにしてもそれは本人のものではなく、ちょっと香を焚いたものだと分かっていても、いい香りのする女に出会うと、必ず男は胸がときめくものです。
久米の仙人が洗濯女の白いふくらはぎを見て神通力を失ったという話がありますが、実際そういうこともあるかもしれません。なぜなら、女の素肌のつややかでふっくらとした美しさこそ、まさにこの色欲を掻き立てるものだからです。
※久米の仙人が…=『今昔物語集』巻第十一。
第九段
女は、髪の美しいところこそ男の目を引きつけるものと思われているようですが、風情のある女の魅力は話をする様子で障子越しでも伝わってくるものです。
女というものはただそこにいるだけで何かにつけて男の心を惑わすもので、そもそも、女がくつろいで寝ることなく、我が身をかえりみず、耐え難いことにも耐えるのは、ひとえに愛欲の心があるからなのです。
実際、愛欲の道はかくも根が深くその源は極めがたいものです。確かに、五感と思考力がもたらす欲望は数多いといっても、どれも修行によって捨て去ることができます。しかし、その中で愛欲の迷いを捨てることがもっとも困難で、これは老いも若きも愚者も賢者も同じことです。
そもそも、女の髪で編んだ綱につながれれば巨大な象でも大人しくなるといい、秋には女の履いた下駄の木で作った笛の音に鹿が集まってくるというではないですか。男が自ら忌み恐れ遠ざけるべきものは、まさに女がもたらすこの迷いであります。
※「巨大な象でも…」=『五苦章句経』の一節。
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ん〜、こういう話が好きです
八・九段ともに女性に関しての内容だったので続けてみました。
いい香りがする女性、女性の色白のふくらはぎ、そそられます(*^^*)
個人的には、女性のうなじからウエストにかけてのS字カーブが…
おっとっと、ヨダレが…
外見だけでなく、雰囲気だけで、そこにいるだけで辺りの空気を変えてしまうような美女、憧れますね☆
まあ、そんな女性がそんじょそこらにいるとも思えませんけどw。
とりあえず、『徒然草』が終わったら…いや平行してでも『今昔物語集』の久米の仙人の話を読んでみたくなりましたw。
※写真はイメージですw。