のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

備後旅・その2(福山行ったり来たり)

まだあたりは真っ暗の午前5時前、鳴り響くスマホの目覚ましは映画音楽(『銀河伝説クルール』ってほとんどの人は知らんだろうなぁ…目覚ましにけっこう合うと思うんだけどw)。
さあ出発♪
道の駅「アリストぬまくま」から「福山グリーンライン」はおよそ10分の道のり。
ドライブウェイの入り口から1キロほど走ると展望台のある駐車場があります。
駐車場…というか先に眼に留まるのは大きくカメラの絵がかいてあるビュースポットの看板です。
東向き・西向き・東向きと、100mくらいの間に立て続けに3つのスポットがありますね。
展望用の木製デッキもありますね☆
…しかし、イイ天気なんだけど東側の空はどんより。
道の駅に到着して仮眠してる間に雨が降った様子はないんだけど、やっぱり雲が残ってるなぁ(--;)
関西は明け方まで雨っていってたし…
徐々に明るくなってくる東の空ですが、朝焼け、日の出がみられる様子はまったくなし(--;)
やめやめ!
最初の朝焼けは空振り、さっさと次の行動に移ることにしよう!
まあ、こうなることはある程度予想してて、2日目にも朝焼けを撮るつもりで考えてたので気持ちも切り替えていきましょう!
朝焼けのあと鞆の浦の海沿いを散策するつもりにしてたんだけどそれも含めて翌日に回して、1枚の写真も撮ることなく移動することにしました(^^;)

行き先は備後吉備津神社
神社なので朝早くから参拝できるし、まずは今回の旅の一番の目的を果たしておこう☆
というわけで、福山の南の端っこから北の端っこへ。
「その1」で述べた通り、大化の改新吉備国備前・備中・備後に分かれた際に吉備津神社岡山市)から分祀されたのが備後吉備津神社の始まりです。
去年岡山の吉備津神社に参拝して、国宝の勇壮な社殿やご祭神の吉備津彦命のむかしばなし「桃太郎」のもととなった英雄譚、そして退治された鬼を祀って吉凶を占う湯釜神事を知ったことで吉備津神社に強い興味を抱き、今回の旅行のきっかけとなりました。
朝のラッシュがはじまる前、特に渋滞等もなく40分ほどで到着。
このころには太陽も東のどんより雲から抜け出して強い日差し。
本殿の側と道を隔てたところに大きな池「御池」があって社が建ってますね。摂社かな?
まずはそこから参拝。
摂社・厳島神社末社幸神社
広島に来たんだから日本三景厳島神社にも久しぶりに参拝したいけど、今回の旅ではそこまで行く余裕はないからまたの機会に(^^;)

御池と摂社・厳島神社

で、道路を渡って鳥居・随神門をくぐって。
ご神木の大公孫樹(大イチョウ)はまだほとんど青々として、少し色づいてるところもある程度。
この樹が色づいたらさぞ美しいんだろうな~。
ことしは京都でも紅葉の色づきが遅そうな気配、広島ならなおさらでしょうね(^^;)
行く手には石段、その上にもうひとつ随神門、さらに上に本殿・拝殿があります。
元の吉備津神社とも、備前吉備津彦神社とも雰囲気も様式も違ますね。
この辺も興味深い♪
でも、狛犬や摂社の屋根などに備前焼と思われる茶色が見受けられます。
そんなところに備前・備中とのつながりが感じられます。

大公孫樹、ほんのり色づきはじめ
備後吉備津神社・拝殿
拝殿と備前焼狛犬

摂社・末社も入り口だけでなく奥の方にもたくさんありますね~。
なになに、十二神社
吉備津彦命の親族十二神を祀るってあるけど…干支の十二支の動物がならんでるw。
この辺は吉備津神社より香川、讃岐国一之宮の田村神社とのつながりを感じますね☆
あちらも親族、吉備津彦のおねえちゃん(倭迹迹日百襲姫命、ヤマトトトヒモモソヒメノミコト)ですもんねw。

摂社・十二神社

さらにもうひとつ、興味深かったのが櫻山神社
境内にある摂社で一番大きい、備前焼の美しい瓦の社。
櫻山慈俊を祀るそうです。
桜山慈俊は、楠木正成の挙兵に呼応して挙兵し、一時は備後半国をおさえ備中や安芸にも進出するほどでしたが、後醍醐天皇笠置山が落ち、楠木の千早赤坂城も陥落したうえ楠木正成公も戦死したという風聞などで味方は離散、吉備津神社に火を放って一族若党23人とともに自害したそうです。
明治時代になって神社の南側にある桜山城址に小さな社が建てられ、大正に入ってから現在の吉備津神社域内(神宮寺跡)に今の形で移されたとのこと。
明治期の後醍醐帝復権とその忠臣を顕彰するものなんですね。
櫻山神社の周辺にはご神木の大公孫樹より色づきのいい銀杏、さらに近くの高台にしっかり桃太郎ご一行の石像もありました☆
去年まで「令和の大遷宮」として社殿の修復等がなされたそうで、その際に桃太郎像も建てられたようです。

摂社・櫻山神社
いちょう
桃太郎ご一行

せっかく錦秋のこの時期に旅行するんだからこのあたりの紅葉の名所も行ってみたいなぁ☆
そう思って旅行前に調べてたら、吉備津神社の近くに府中八幡神社という神社があるらしい。
次はそこに行こう♪
福山市の西側、府中市に入ります。
備後から出て安芸になるかも…と思いましたが、備後国域内みたいw。
そもそも境界線はどこなんだろ?
まあぶっちゃけどうでもいい気もするので、気が向いたら帰宅後に調べるってことで(^^;)
山裾にある神社、駐車場から境内に入るといくつかある鳥居と社殿の中間くらいの参道に出ます。
鳥居をくぐらずに社殿に向かうのはいかがなものかとは思いますが、何度も往復するのも大変なので、まずは社殿に参拝。
思ったより大きく立派な社殿ですね~。
神社のある八尾山には鎌倉時代ごろこの地を治めていた備後杉原氏の居城・八尾城がありましたが廃止され、その城内にあった守護の社が地元民の手で再興されたのが府中八幡神社だそうです。
摂社・末社もたくさんあって、地元民の篤い尊崇をうかがえますね~。
摂社末社の脇にも紅葉の樹がありますね☆
でもこの色づき方、ライトアップでもしてるのかな?

府中八幡神社拝殿
摂社・末社
赤青もみじ

で、鳥居の方に下っていくと、こちらは参道脇に紅葉の並木。
まだ五分程度の色づきですが、ピークになったらさぞかしみごとでしょうね~☆

三の鳥居から二の鳥居
二の鳥居付近
鳥居ともみじ
もみじ

そろそろお昼も近づいてきました。
夕焼けをみるためにまた鞆の浦の西側に行こうと思ってますが、そっちに向かう途中に福山城があります。
以前新幹線の車窓から福山駅の目と鼻の先にある天守閣(?)をみたことがあります。
駅前に行けば昼食はよりどりみどり、先に昼食にするにしても先にお城に行くにしても都合がいいと思い、お城に向かうことにしました♪
あ、ちょうど少し早めの11時からオープンしてるラーメン屋さんがある☆
というわけで昼食は「尾道ラーメン 一丁」で「大盛りチャーシューメン尾道ラーメンらしい濃い口しょうゆ味のスープに豚背油で濃厚さが増して、細めの麺も食べやすい\(^▽^)/
味もさることながら、チャーシューメン大盛りにしても1000円でお釣りがくる価格、何でも値上がりのこのご時世にうれしい限りです☆

大盛りチャーシューメン@尾道ラーメン 一丁

昼食後にクルマは駅前に停めたままお城へ。
天守閣が去年大規模な修復工事を終えたばかりの福山城、創建は一国一城令発布後の1615(慶長20)年。
中国地方を支配した毛利氏をはじめとする西日本の外様大名を監視する意味で建造された城郭は日本城郭の最高到達点、最高傑作ともいわれるお城…って、今までお城巡りをしてきて訪れたことがなかったことに恥じ入るばかりの美しい城です(^^;)
五層七階の天守閣に郭内に立ち並ぶ櫓、風流な御湯殿など、見事な建造物ばかり。
明治の廃藩置県でお堀はすべて埋められてしまい城域もかなり縮小されましたが、城郭建築を凝縮したようなたたずまいです。
そんな中、現存12三重櫓のひとつ・伏見櫓筋金御門とともに京都・伏見城から移築された建造物で重要文化財に指定されています。
特に伏見櫓では戦後間もない1951(昭和26)年の改修時に部材にあった刻印から伏見城の遺構であることが確認されており、全国で唯一伏見城の遺構であることが裏付けられている建造物であるとのこと。
…もう国宝指定でいいんじゃね?
今までみてきたどの三重櫓の中でも特に大きく勇壮、すばらしい!
そんな三重櫓に一歩もひけをとらない改修されたばかりの天守閣もみごと。
内部は鉄筋コンクリートで博物館になっています。
これまた全国唯一の北側鉄板張りの黒と白漆喰のオセロのような色合いも再現。
これも独特でおもしろい☆
よくテレビの時代劇のドラマなんかで姫路城の天守閣に「江戸城」のテロップをのせてるのをみかけますが、この福山城の方こそふさわしい気がするなぁw。
唯一の難点は周囲にけっこう高いビルがそびえてて、再建された月見櫓などは撮影するとバックにどうしても入り込んでしまう点(^^;)
構図を少し考えながら撮影する必要がありますねぇw。
場内では「福山菊花展覧会」も開催中で、お城の模型の瓦部分が菊の花、みたいな展示や、個人的にあんまりみたことがない盆栽の菊なんかも展示されていて華やかでした。
いつまでみてても飽きない見事なお城、また桜のシーズンなんかにも来てみたいなぁ☆

福山城・伏見櫓
伏見櫓と御湯殿
福山城・筋金御門
福山城天守
福山城天守閣、北側鉄板張り
天守閣からの眺め、伏見櫓、福山駅方面
福山菊花展覧会
福山城福山駅

続いてはお城から10分ほどのところにある古刹、明王院(円光寺)。
もとは弘法大師が開基した常福寺で、完成した福山城の城主すなわち福山藩主として水野勝成が入府してからはその庇護を受けまました。
三代目藩主の水野勝貞が常福寺に歴代藩主の祈願寺となっていた明王院を合併させ、寺号も明王院として今日に至ります。
鎌倉末期に建てられた本堂、室町前期に建てられた五重塔が国宝に指定されています。
本堂のご本尊は十一面観音立像(国重要文化財)で本堂が建てられたのと同時期のものだそうですが、残念ながら秘仏として厨子の中にあって拝むことはできません。残念(^^;)
五重塔の方は心柱が一層の天井までで止まっていて。全国的に珍しい構造をしているといいます。
いずれも見事な建造物です☆

明王院本堂
明王院五重塔
七福神、奥に弁天さま

おや、明王院のおとなりにどハデな神社がありますね。
一応覗いておこう。
…ちょっと上まで上っていく気になれないなぁ。
建物は古いものではなさそうなのでちょっと参拝するだけ(^^;)
あとになって知りましたが、写真を掲載した七福神は「草戸七福神」というそうです。

草戸稲荷神社

とりあえず福山市内で鞆の浦あたりを除いて行きたいと思ってた場所はだいたい網羅できました。
夕焼けはどこで撮ろう?
福山の海沿い、沼隈半島の東側が鞆の浦で、西側に行ったらいい場所あるかなぁ?
そう思って海の方に移動します。
半島の先っちょ、最初に行ったドライブウェイ「福山グリーンライン」の入り口付近。
阿伏兎観音」とありますが、このあたりだったらどうだろう?
そう思って向かうと海のすぐ西側に田島という島がど~んとあって、夕焼けをみるには不向き。
でもせっかくだから阿伏兎観音、行ってみよう♪
正式には磐台寺というお寺で、子授け・安産など女性の守り神として、また断崖に立つお堂の絶景が有名なところだそう。
ここまで神社にお城と散々歩き回ってもうかなり足腰が疲労しています。
しかもここ最近ヒザの裏側をねちがえたか何かで痛みが続いていました(--;)
足腰ガタガタなところ、断崖の観音堂は膝までもないくらいの欄干しかなく、しかも雨水を落とすためか海側に少し傾斜があります。
靴を脱ぐのもけっこうつらいくらい足がガタガタな状態でこのお堂に上がるのは結構勇気が必要です…が。
これはすごい!絶景かな~!!

阿伏兎観音
阿伏兎観音(磐台寺)観音堂からの眺め
阿伏兎観音、観音堂
阿伏兎観音付近から西の風景(内海大橋)

ふと思い出したのが映画『崖の上のポニョ』で、ポニョのおかあさん(グランマーレ)が登場するシーン。
海の中から現れる美女の顔に、漁師さんが「観音さま!」とつぶやいてました。
「おばけ!」でも「女神さま!」でも「人魚!」でもなく「観音さま」ってのに少し違和感があったのでよく覚えています。
舞台が鞆の浦だとしたら、漁師さんのいう観音さまはココの阿伏兎観音さまのことだったのかもしれない、なんてw。

で、結局夕焼けはどうしよう?
そろそろ陽も傾いてきて、そう遠くまではいけません。
だったらふり出しに戻ろう。
最初に朝焼けを撮ろうとしたのが何てったってドライブウェイの「朝陽と夕陽の駐車場」だしw。
どうせなら翌朝の朝陽もここで撮ろう☆
最初に着いたときは真っ暗で何がどうなってるのかよくわかんなかったから、明朝の日の出を撮るポイントも下見しておこう。
阿伏兎観音から5分足らず。
福山じゅうを走り回ってふりだしに戻ってきちゃいました(^^;)
まずはまだ太陽が高いうちに下見もかねて周辺撮影。
3つある撮影スポットの、まずは入り口から一番奥の東側の風景。
でもこの方向からはこの時期の日の出はみえません。
夏ならこっちの方かな?

真ん中は西側に視界が抜けてる場所なのでここで夕景を撮影するとして、一番手前がこちら。
こっちの方がイイ感じ☆
あしたの日の出はココで撮ろう♪

で、夕暮れ時までしばし待機。
とにかくもうヘトヘト(^^;)
足が思うように動きませんw。
腰も時折ピリっと痛みが…
まあでもあと少し、宿に行けば温泉が待っている!

瀬戸内海の夕陽(朝陽と夕陽の駐車場から)
陽が沈む
黄昏の風景(内海大橋)

朝焼けはスカだったけど、夕焼けはまずまずの風景をみることができました☆
よかったよかった♪
陽が昇る前から沈むまで散々福山市内を走り回って歩き回ってホントへとへと(ー-;)
夕食はまた福山駅前に戻って「お好み焼鉄板焼き えんまる」で…何にしよう?
尾道風のお好み焼きが食べたかったんだけど…
きょう少しだけ立ち入った府中市にも「府中焼き」というのがあって、メニューにありますねぇ…
尾道風もいいけどこっちも食べたい!
というわけで府中焼きの「牛しょぶり焼き」牛しょぶりってはじめてきくけど、牛バラ肉のミンチのお好み焼きだそうです。
広島焼きらしい焼きそば入りのお好み焼きは生地やキャベツの食感ではない「パリパリ」ではなく「プチプチ」と表現すべきでしょうか?
これが本場の味か~!?\(^▽^)/ウマウマ~☆

牛しょぶり焼き@お好み焼鉄板焼き えんまる

お腹も満たされて、駅から5分ほどのきょうのお宿へ。
着いたとたんにとにかくお風呂、温泉♨
その後足つぼマッサージもあるとのことで、合わせて疲れを癒してもらおう(^▽^;)
マッサージ師の方から「ふくらはぎから足の外側が強烈にはってます。歩くときに内側の筋肉を使うように意識したら疲れ方がまた変わってくると思う」とアドバイスをいただきました。
筋肉痛はこの歳になると一晩ではなかなか癒えないので、あしたは少しでも楽になるように足の内側を意識して歩こう♪
何てったってあしたは坂道の街・尾道に行くんだから(^^;)
あすも早朝夜明け前から出撃、それ以上に疲れでばたんきゅ~。
22時前には就寝したのでありました…zzz


まだまだつづく。