のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

トレーニング

あっという間に8月が過ぎて9月、セプテンバーさん。
8月後半は仕事が忙しく、また急きょ親類の葬儀に参列することになったりして、お出かけするヒマもなく。
9月も慢性的な人手不足が続いてて引き続き仕事が忙しくなりそうですが、きのうきょうは英気を養う連休。
きのうは9月2日の父の誕生日を祝って外食してきました。

で、きょう4日は朝から天気が良くなりそう♪
なので山に登ろう!
ことしの「京都の神社再発見」からの「愛宕神社に参拝する!」=「愛宕山に登る!」という目標。
愛宕山登山に耐えうる体力をつけるべく年始から伏見稲荷に2度行って、高知旅行でもがんがん歩いて体力増強を図ってきましたが、4月後半から8月にかけて旬の花めぐりもままならないほど休日の天候に恵まれず、ロクに出歩かずに過ごしてしまいました(^^;)
祇園祭の時くらいかなぁ、よく歩いたのは。それでも例年よりコンパクトに済ませた感。
これでは目標達成もおぼつかないので、秋になって涼しくなったらいっぱい歩こう、山に登ろうと考えていました。

で、トレーニング再開にあたってどこに行こう?どの山に登ろう?
愛宕山トレッキングは標高924m、表参道からおよそ4kmの道のりになります。
いきなり同等というわけにもいかないので、もう少しラクなところはないかなぁ、と。
まず思い浮かぶのはことしに入って2度参拝した伏見稲荷稲荷山
3度目行こうかな?
石清水八幡宮男山もおあつらえ向きですね。
ほかにもウチからそう遠くないところにいくつか候補がありますが…
そういやいつも仕事で近所を行き来する大山崎天王山、まだ登ったことがないから行ってみようか♪
標高200mちょっと、伏見稲荷の稲荷山とそれほどかわらんかな?

ウチから大山崎へはクルマで国道478号線を通ればす~っと30分ほどで行けます。
でも、朝7時を過ぎると国道171号線で徐々に渋滞が発生します。
朝うんと早く出て、夜明け前後くらいなら渋滞も回避できるうえ涼しそうだし、そんな感じで行ってみよう☆
天下分け目の天王山」登ればなんか勝った気分になって今後のトレーニングのはずみもつきそうな気がするしw。

というわけで、早朝出発して阪急の大山崎駅近くの駐車場にソリオくんをおいていざ天王山!
駐車場の位置等はいつもこのあたりを仕事で走ってるので熟知してますw。
で、天王山登山口はJRと阪急の線路を小さな踏切でこえて大山崎瓦窯跡公園から山崎聖天(観音寺)のところにあります。
まだ夜明け前のほの暗い5時過ぎ。
山崎聖天にも参拝したいけど、帰りに行けばいいかなぁ?
山頂付近に神社があるらしく、登山道を少し登るといきなり大きな鳥居に出くわします。
なになに、酒解神
…なんて読むんだろ?(^^;)
鳥居をくぐってずんずん進んでいきます。

夜明け前の大山崎瓦窯跡公園
登山口と山崎聖天の石碑
石段の鳥居

ずんずん、ずんずん…
はあはあはあはあはあ…
息が切れる切れる(--;)
やっぱり運動不足、日頃屈伸・伸脚を中心に柔軟体操だけは欠かさずやってるものの、心肺機能は全くトレーニング不足。
何てったって30年来の愛煙家でもありますし(^^;)
階段中心の登山道、ものの10分ほどで息が切れて心臓ばふばふ、苦しいのなんのって。
0.1トンの重さを200m上まで持っていくのにどれだけのエネルギーが必要なんだろう…などと考えて気を紛らわせながら、休み休み登っていきましょう。
できることなら山頂あたりからご来光を…なんて思ってたけど、なんてことはない、まだ半分も登らないうちに竹林の向こうに日の出がみえてきちゃいました。
さらに登っていくと明るくなった街が俯瞰できる展望台。
いつの間にやら石清水八幡の男山を少しみおろす高さまで登ってます(^^;)

竹林の向こうの日の出
男山をみおろす展望台

ひいひいふうふう…
途中、手ぶらで普通の白いワンピースを着た女性が何も持たない両手を腰にあててひらひら山道を登ってく姿。
付いて行きたいけどちょっとムリ(^^;)
すごい…
ボクなんてもう引き返したくなるくらいヘトヘトなのに…
なんか神がかってみえるなぁ…
試しにリュックにカメラぶら下げてるけど同じように両手を腰にあてて登ってみると、これがなかなかイイ感じ♪
おかげで背筋がまっすぐになって、思った以上に息が苦しいのは前かがみになり過ぎてたってことに気づかせてくれました。
なにくそ負けてたまるか!と勝気だけは体育会系ののりりん、何とか神社までたどり着きました☆
参拝せずに帰ろうか…
いやいやいや、そんなのバチがあたりますって!
息が整うまで休憩して神社参拝。
神社の先、数百mで山頂です。

神社の正式名称は自玉手祭来酒解神
…読めん。
帰宅後調べたら「たまでよりまつりきたるさかとけ(神社)」というそうです。漢文読みかい!
「玉手よりまつり来たる」玉手って?…などと興味をそそられる社ですねぇ♪
ご祭神は大山祇神牛頭天王スサノオノミコトで、これが「天王山」の名の由来だそうです。
不明なところが多い神社ですが、奈良時代にはすでにあって、もともとはふもとの離宮八幡宮の地にあったそうです。
神社の脇に山崎の合戦の石碑に展望デッキ(旗立松展望所)がありますね。
あとでそこからの風景を眺めるとして、先に山頂を目指そう!
樹々に囲まれた台の上に、ありました山頂を示す標識☆
…標高270m?
200mちょっとで稲荷山と同じくらいと思ってたけど、もうちょっと高かったみたいですね(^^;)
山頂一帯には山崎城として秀吉が山崎の合戦のあとに山城を築いたそうです。
それでこの台のような地形なんですね。

酒解神社の鳥居
三社宮
酒解神社本殿
天王山山頂付近(山崎城跡)
天王山山頂標識

そういや神社に重要文化財の神輿庫があるっていうけどどれかわかんなかったなぁ…と思って下りでもう一度確認したら、金網の向こうで近寄れないところにありました(^^;)
校倉ではなく板倉造という珍しい様式で遺構が残っているものがほとんどなく、重要文化財に指定されているのはここと春日大社のものだけだそうです。
間近でみたかった…くそぅ。
で、改めて展望デッキへ。
日の出直後で思いっきり逆光だなぁ(^^;)
でも、次に来るときはここからご来光をみてみたい☆
てか、トレーニングがてらもう一度みに来るっ!

酒解神社神輿庫
旗立松展望台から

神社から登ってきた道を少しはずれて下ると「十七烈士の墓」があります。
幕末、京都洛中で勃発した禁門の変で敗れた真木和泉長州藩士十七人がここで自刃したのを供養するものだそうです。
南北朝時代、秀吉、そして幕末と、京都における戦乱となるとこのあたりは必ず戦場になるということを改めて実感します。
さらに下ると木葉谷展望台
さっきの旗立松展望台と違って南向きに視界が開けて、スカっとした青空と大阪に向かう淀川の流れに沿って俯瞰できますね~。
いい景色だ☆

十七烈士の墓
木葉谷展望台から

何事もないように下りてってますが、登りは心肺が苦かったのが下りは筋力・脚力がキツい(^^;)
ヒザがかくかく哂ってるw。
そんな下りの山道を抜けると宝積寺というお寺の境内に裏から入る形になりました。
聖武天皇の勅願、行基菩薩の開基という古刹。
山崎の合戦の際に秀吉が本陣を置いた場所でもあるそうです。
…こんなところにこんなお寺があるの知らんかった(^^;)
聖武天皇が夢に現れた龍神から打出と小槌を授かり、祈願すると天皇に即位できたため行基に命じてこの寺を建立したのだとか。
打出「と」小槌?
「の」ではなく?
…と思ってこれまた帰宅して調べると「打出」=「打出の衣」=「出衣(いだしぎぬ)」でむかしの衣服の一種だそう。
それと関係してか、お寺の本堂の横に打出の小槌の持ち主・大黒天と件の小槌を祀る小槌宮があります。
打出の小槌の由来は打出「と」小槌なのもしれませんね(^^;)
小槌宮の脇にさるぼぼみたいなお守りが多数ぶら下がってるけどなんじゃこりゃ?…って、大黒天のシンボルの大袋ですかw。
閻魔堂はこの時間(まだ朝の8時前w)ではまだ中を拝観できませんか(^^;)
お墓の先にみえる立派な三重塔も重要文化財指定。
立派な伽藍ですね~☆

宝積寺本堂
小槌宮
三重塔

下界に戻ってきました。
山崎聖天とは別の場所に下りてきちゃったから参拝はまた今度ですね(^^;)
代わりにJR山崎駅周辺をもう少し散策。
まず駅のすぐ向かいにあるのが妙喜庵
ここの茶室待庵は京都にあって唯一ボクがまだみたことのない国宝建造物です。
通常拝観できず、拝観には往復ハガキによる予約が必要。
以前訪れたときはコロナで拝観謝絶でしたが、飛び込みで拝観できないかな~?と思ったけど、やっぱりダメみたい(^^;)
せめて外観だけでも、と思って入り口前まで。
庭の端っこだけ、文字通りの垣間見しておきましたw。

妙喜庵、庭園垣間見

そして離宮八幡宮へ。
平安期、清和天皇が国家鎮護のために宇佐八幡宮から八幡神勧進しようと考え、僧侶の行教を宇佐に派遣したところ、行教が京に戻る際にこの地に霊光をみたため赴くと、岩の間から清水が湧いているのをみつけました。
そのことを天皇に報告すると天皇は勅命でその地に社を建てて名を石清水八幡宮に…って。
元々石清水八幡宮はこの場所だったんですね!知らんかった(^^;)
建立の翌年(貞観2年、860年)、社から一筋の光が淀川の対岸の男山に向かって放たれたために現在の石清水八幡宮が男山山上に建立されたんだとか。
離宮八幡宮は社が建てられる前に嵯峨天皇の河陽(かや)離宮があったことから通称でそう呼ばれているそうで、この社も男山の社も双方名称は石清水八幡宮なのだそうです。
諸説あるようではありますが、これまた身近な神社のおもしろい歴史を知ることができました☆
離宮八幡宮の神官が神示を受けて荏胡麻から効率よく油を採る「長木」を発明したことから、日本における製油発祥の地として荏胡麻油販売を独占して繁栄を極めた社でもあります。
胡麻油は食用にも、防水性を持たせる塗料にも、また灯火にも用いられるもので、その独占からの利益はさぞ大きいものだったことでしょう。
その独占を破ったのが織田信長楽市楽座で、また中世末期に菜種油が普及したことから荏胡麻とともにあった離宮八幡宮の繁栄は衰えて行ったそうです。
国盗り物語』で斎藤道三が油の行商人として立身して八幡宮の神人と対立する話がありましたっけ。
現在の社は比較的こぢんまりした境内ですが、往年の繁栄を思わせるに足る立派な社殿と多くの摂社末社、そして石清水と記された囲いがあります。

離宮八幡宮
離宮八幡宮
石清水

奈良時代から戦国・安土桃山時代、さらには幕末まで、歴史のあっちゃこっちゃに思いをはせる天王山の散策。
…といっても、まだ朝の9時前。
待庵のレプリカが大山崎町の歴史資料館(阪急大山崎駅前)にあるというのでそれを拝観してから帰ってもいいかな~と思いましたが、いかんせん汗かきすぎ、足腰ガタガタ。
また近々トレーニングにここに来ることを誓って撤収することにしました。
宿題も残しといた方がすぐまた来たいって思えるしねw。

やっぱり神社は参拝すればするほどおもしろい☆
京都の神社再発見は山登りとセットにするとさらに充実します。
あした1日働いてまた休みなので、天気が良ければまたどっかに登りに行こう♪
どこに行こっかな~?