のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

備後旅・その5(そしてしまなみ海道へ)

今回の旅行の最終日。
お宿を予約した当初、この日の天気はくもり予報でした。
なので最後はゆっくり寝て、朝風呂にでも入って、お宿の朝食でも食べたら帰宅しよう、と。
ですが、前日の夜にめったにみないテレビで天気予報を確認すると、朝のうち少し雲が多いもののそのあとは晴れるとのこと。
今回の旅の締めくくりに、「行けたら行きたいな~」と思っていた場所に行っちゃおう☆

お宿の朝食(ご飯3杯おかわりしちゃいましたw)

しまなみ海道で海を渡って向かうは生口島(いくちじま)。
尾道から、向かいの向島因島を越えた先。
生口島からもう一つ橋を渡ればもう愛媛県です。
日本一のレモンの産地として有名です。
朝起きたときは薄曇りでしたが、徐々に青空が広がってきました。前途洋々♪
まずは国宝建造物の向上寺三重塔を拝観。
向上寺は室町時代の1400(応永7)年の建立ですが、明治期に三重塔を除いて伽藍が焼失してしまいました。
現在創建600年を機に仮本堂で復興を目指しているとのこと。
三重塔は国宝に指定されているものの中では一番新しいものだそうです(それでも室町時代のモノ)。
ご本尊は33年に1度御開帳されるという秘仏聖観音菩薩。
33年に1度がきょう…のわけはないですね(^^;)
境内からみあげる三重塔が美しい☆
三重塔周辺にちょっとした遊歩道があるので軽く歩いてみます。
生口島出身で文化勲章を受け東京国立博物館館長、東京芸術大学名誉教授などを歴任した日本画家・平山郁夫氏がしまなみ海道開通時に描いた「しまなみ海道五十三次」の中にこのあたりの風景があるそうです。
うん、写真構図のイイ勉強になります(^▽^)

向上寺三重塔
平山郁夫画伯スケッチポイント・1
平山郁夫画伯スケッチポイント・2
平山郁夫画伯スケッチポイント・3

向上寺のすぐ近くに耕三寺というお寺があるそうなので、次はそちらに。
ん?同じ場所に耕三寺?耕三寺博物館?どゆこと?併設してるの?
地図上の確認から不思議な気分で駐車場に着くと、いきなりお城のような建造物。
駐車場の係の人にうかがうとかつてのご住職のお住まいで、今は関係者の事務所だそう。
お寺の建物とは思えないんですけど(^^;)

耕三寺寺務所

入り口に立つと、極採色の山門中門
門をくぐるとさらに極彩色の伽藍。
なんじゃこりゃ~!?
耕三寺は、20世紀初頭から大阪で鋼管製造会社を営んでいた実業家・耕三寺耕三氏が母の死後、その恩に報いるために自ら僧籍に入って菩提寺として昭和10年から生涯を掛けて建立したお寺だそうです。
極彩色の建造物はよくみるとどっかでみたことがある気がする…と思ったら、いずれも日本国内、特に関西の仏寺の建造物を模しているようです。
最初にくぐった山門の次の中門は法隆寺中門、その先にそびえる五重塔と両脇の法宝蔵僧宝蔵四天王寺五重塔・金堂)、さらにその先にそびえるものすごくド派手な孝養門日光東照宮の陽明門。
さらに法隆寺夢殿を模した八角円堂石山寺のものを模した多宝塔
何よりびっくりなのは本堂の両脇の至心殿信楽殿は京都・法界寺釈迦堂、そして本堂平等院鳳凰堂
まさか広島尾道生口島まできてウチから特に近い国宝建造物に出くわすとは(^^;)
境内は仏教と国宝建造物のテーマパークのような様相ですw。
ここ3、4年のあいだに関西中の国宝建造物を撮影して回ったボクですが、ここで一気におさらいテストを受けているような印象です。
形状は国宝建造物等を模していますが、それらがみな極彩色に彩られて、孝養門や本堂にはれでもかというほどの装飾。
ただ、悪趣味という印象は薄く、境内が美しく調和しているように思えました。

耕三寺山門・中門
耕三寺五重塔
耕三寺孝養門
耕三寺本堂、奥に多宝塔

まったくカネ持ちはとんでもないものを作るもんだと思いますが、耕三寺には仏教寺院としての宗派も宗教法人格もなく、そのため正式には「寺」ではなく「博物館」となっているそうです。
仏教テーマパークみたいだと思ってたら、だったらあれはオバケ屋敷か?という洞穴があるので入ってみましょう♪
千佛洞地獄峡」名前もイイ雰囲気w(オバケ屋敷として)。

千佛洞地獄峡入り口




中を歩いている間、頭の中で思い浮かべる『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』の洞窟シーン(^^;)
※こんな感じ↓
Temple of Doom: Mola Ram (1984) [HD] - YouTube
外に出ると法隆寺夢殿のご本尊を模した巨大な観音像、このあたりの演出もいいですね☆
そして境内の一番奥にあるのは真っ白い大理石の庭園「未来心の丘」。
耕三寺が博物館として行っている芸術活動の一環として彫刻家・ 杭谷一東(くえたにいっとう) 氏によって造営されたそうです。
大理石の回廊、彫刻と、丘の上からの島の眺望も美しい芸術空間です☆
芸術空間だし写真も多少ゲージュツ的に撮らねばw。

未来心の丘の眺望
未来心の丘
彫刻と青空と日輪と

いやスゴいお寺でした。
昼食はお寺を出てすぐのところにある「瀬戸内大将めし ちどり」で「たこ天丼卵とじ」。
生口島はタコも特産というのでたこ飯にしようかと思ったんですが、たこ飯なら関西・明石の名物でもあるので、明石でなさそうなタコの天丼、しかも卵とじにしちゃおうってわけでw。
大振りタコの天ぷらの衣はカリッ、中はムチムチッとした食感でダシのきいた卵とじも\(^▽^)/ウマウマ~☆

たこ天丼卵とじ@瀬戸内大将めし ちどり
たこ天丼卵とじ!

さあ、これでもう帰ろう…と思ったんだけど、最後にもう少しだけ海の、瀬戸内海の島の風景がみたいと思って瀬戸田サンセットビーチへ。

瀬戸田サンセットビーチ
瀬戸田サンセットビーチ

真っ青な空、静かでやさしいさざ波。
ここで夕焼けまで待ってもイイのかもしれないと思いましたが、予報ではこれからまた天気は下り坂とのこと。
もう思い残すことはありません。
ウチに帰ろう!
ちょっと追加で買い食いしてからw。(^ー^)ウマ~♪
(もちろんお土産も買いましたw。)

焼きたてレモンケーキ@瀬戸田レモンケーキ島ごころ

さらば瀬戸内海。
お土産も、写真だけでない思い出も、たくさん持って帰ろう。
朝焼けから日暮れまで、美しい島と海の景色。
おいしい食べ物、そして不思議で美しい神社仏閣に城郭。
歩きすぎて足腰がガタガタだけど、それもまたいい思い出(^^;)
6日夜から9日夕方の帰宅までボクと一緒に走り回ってくれたソリオくんにも感謝。
予定していた場所に予定してなかった場所、3日間で周れるだけ周りました。
もっと行きたい場所もあったんだけど、またいつか。
いつ来れるかわからないけど、また来たいと思える備後なのでした☆