のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

熊野詣・その1

ことしの正月から行きたいと思ってた和歌山・熊野三山
特に夏になってから、天気を見計らって行こうと思ってたんですが、気がつけばお彼岸を過ぎて9月ももう終わり。
28・29日で連休をもらって、ここ10日ほどは天気予報とにらめっこ(^^;)
晴れ、くもり、雨、晴れ…毎日のようにくるくる変わる予報にやきもき。
最終的に晴れ予報で固まってきたのは2、3日前のこと。
よし!行くぞ~!

熊野三山、すなわち熊野本宮大社熊野那智大社熊野速玉大社の三社です。
古くから熊野の神・熊野権現として篤く信仰され、神仏習合で本宮は阿弥陀さま、速玉は薬師さま、そして那智は観音さまとされます。
那智大社西国三十三所観音霊場の第一番・青岸渡寺と隣接していることもあって、これまで何度か参拝したことがあります。
本宮大社・速玉大社に参拝したのはいつだったっけ…まだフィルムカメラ使ってた時以来だから、もう20年以上前ですね(^^;)
熊野権現の使いでサッカー日本代表のシンボルでもある八咫烏はタケツノミノコト(建角身命)の化身。
タケツノミは京都で特にお世話になってる神社の一つ・下鴨神社のご祭神。
そんなつながりと、この20年の間に神社仏閣についていろいろ見知ったことも増えたことから、改めて熊野三山を参拝しようと思い立ちました。
神社はたくさん参拝すればするほどつながりを感じるのです♪

さて、熊野三山のある和歌山、南紀の東方面は関西でもウチからの経路が特に遠い場所です(^^;)
どういう経路を使ってもおおよそ3時間。
3時間あれば西は香川や岡山、東に向かえば愛知を通り過ぎて静岡くらいまで行けそうですねw。
20年ほど前に三山を巡った時は奈良を縦断して本宮大社から参拝した記憶があります。
夏ごろから特に和歌山に行きたいと思ってたのは偏に「海がみたい」から。
3時間もかけて南紀方面に行くんだから、神社だけでなく日の出から夕日まで海をみたい。
ちょうどお彼岸を過ぎて日の出も日没も6時前後。
スタンバイを前後30分と考えるとウチを出るのはうんと早朝(^^;)
実は今月初めの4連休の際に一度2時半に目覚ましをかけて就寝した日があったんですが、天候が悪く中止しました。
でも、2時半に出発して5時半くらいに到着、あわてて準備して日の出…というのもいかがなものか。
そう考えて前日の夜遅くに出て車中泊で朝を迎えるという計画に直前に変更することにしました。
関西圏はボクの庭、関西から出ない限りは「散策」と呼んでいますが、こうなるともうさすがに一泊旅行みたいなものですねw。

そんなわけで、夜勤明けの27日、夜22時半に出発れっつごう☆
朝日を狙うスポットは串本町橋杭岩
以前行った際は方角の意識がなかったんですが、紀伊半島の東側だったんですねぇ(^^;)
潮岬の近所だからてっきり南だと思ってたw。
海岸線に沿うR42、「道の駅くしもと橋杭岩」で車中泊
なので今回は奈良を縦断するルートではなく、ウチの近所からひたすら高速道路で南紀へ。
第二京阪近畿道~阪和道で終点・白浜あたりまで2時間、さらに一般道で1時間。
十三夜の明るい月が西の海を照らすのが幻想的でキレイ☆…ですが、今回はそれが目当てではないのでスルー(^^;)
到着したのは夜中の1時半くらい、道の駅の駐車場にはボクと同じく車中泊のクルマが数台、キャンピングカーも泊ってますね。
3時間ほど仮眠をとって、夜が明ける少し前から撮影開始といきましょう♪

橋杭岩の朝焼け
橋杭岩の日の出
早朝の橋杭岩

ちょうど写真に写ってない右側に雲がかかってて、日が昇るとすぐにお日さまが雲に隠れちゃいました(^^;)
広角でもっと大きく全体を見渡す写真が撮りたかったんだけど、ちょっと惜しい感じw。

夜が明けて、次に向かうのは三山のうちの熊野那智大社
特に深い意味はありませんが、那智大社だけ朝7時から参拝できて、ほかが8時からだったというだけ(^^;)
橋杭岩から一番近く、およそ20分ほどで到着。
東征の折、神武天皇(神日本磐余彦命、カムヤマトイワレヒコノミコト)が上陸された熊野浜から光り輝く山をみてそれを目指して進むと那智の大滝をみつけました。
これをオオナムジノミコトの現れたるご神体として祀られたのが那智大社の起こりです。
東征の一行は天照大神が遣わした八咫烏に導かれて大和・橿原に入られ、神武天皇の即位となりました。
八咫烏はこの熊野に戻って石になって休憩中なんだとか。

山のふもとから続く熊野古道大門坂の石段を最初からだとキツいので、駐車場のあたりから上っていくと一の鳥居ととなりの青岸渡寺の山門がみえてきます。
最近天気に恵まれず、散策にもあんまり行ってなかったからこれでもキツい(^^;)

熊野那智大社門前の石段
鳥居と山門
石段の上の鳥居(一の鳥居)

さらに石段を進むと二の鳥居、那智大社の社殿。
夜明けごろの雲もすっかり晴れ渡って、朝の光に照らされる社殿が荘厳な雰囲気を増します。

石段の上の鳥居(二の鳥居)

で、熊野権現と呼ばれる神々が祀られる社殿ですが、

・第一殿 瀧宮(大己貴神=オオナムジ)
・第二殿 証誠殿(家都御子大神・ケツミコノオオミカミ=スサノオ
・第三殿 中御前(御子速玉大神・ミコハヤタマノオオミカミ=イザナギ
・第四殿 西御前(熊野夫須美大神・クマノフスミノオオミカミ=イザナミ
・第五殿 若宮(天照大神
・第六殿 八社殿(天神地祗=やおよろずの神々)

…となっています。
熊野権現熊野権現という名で祀られてるのではないんですねぇ。
オオナムジ=大国主に国生みの神であるイザナギイザナミ、その子のアマテラスとスサノオ
これら天つ神を祀るんならそのままの名前でもよさそうなものですが、別の名前で祀られててそれをして熊野権現、と。
不思議な感じです。
熊野権現っていったい何なんでしょう?
まあ、それは熊野三山を巡りながら考えるとしましょう(^^;)
…おかしいな、那智大社には何度か参拝に来てるハズなのに、社殿のこと、ご祭神のことも何も覚えてない(^^;)
熊野権現って何?って素朴な疑問も抱かなかったのか過去のオレ!?
ちなみに八咫烏も本殿ではなく本殿の脇の御縣彦社という社に祀られています。
本殿の前に石になってる八咫烏の姿という「烏石」もあるそうですが、中に入れないので本殿も含めて残念ながらみえませんねぇ。

熊野那智大社(礼殿)
御県彦社前の八咫烏
熊野の山々を眺める

疑問を抱きつつ、社殿の右手の小さな門をくぐればすぐおとなりの青岸渡寺
西国三十三所観音霊場札所第一番。
那智大社那智の滝も含めて、西国三十三所結縁御開帳の際に訪れて以来の参拝です。
御開帳の時と違って、また朝一番ということもあって参拝客はまばらですね。
本宮大社・速玉大社にも那智大社と同様に神仏習合の仏寺があったそうですが、明治期の廃仏毀釈によって2つは廃止され、那智青岸渡寺のみ残ったそうです。
音霊場というと修験道とつながりが強いために山岳信仰熊野権現と結びついたんでしょうか。
このあたりに熊野権現というものを知る手掛かりがありそうな気がします。
今から1600年も前、天竺(インド)から渡来した裸形上人が開基したという古刹。
何でも流れ着いた熊野浦から那智の滝にたどり着き、その滝つぼから如意輪観音像を得たといいます。
神武天皇が滝をオオナムジのご神体ととらえた話と似通ってる気がするのはボクだけでしょうか?
あ、お寺から那智大社の社殿がちょっとみえる♪
そしてお約束の三重塔と那智の滝の構図w。
お手水に彼岸花が生けてありますね☆
ことしはあっという間にお彼岸が過ぎてしまって、彼岸花を撮りに行く機会を逸してしまいましたね~。
ところどころに咲いてるのはみかけるんですが…
撮れるときにみつけた花をちょろっとでも撮っとこうw。

青岸渡寺・本堂
青岸渡寺本堂付近からの熊野那智大社本殿
三重塔と那智の滝
お手水の彼岸花

続いて那智の滝
こちらもこれまでに何度か撮影しに来たことがあります。
熊野那智大社の別宮飛滝神社となっており、滝そのものがオオナムジのご神体ということで社殿等はありません。
改めてじっくり三脚を立てて撮影。
もちろん拝所に入ります。
みごとです☆
元々那智大社はこの滝の前に「熊野夫須美大社」として祀られていたそうですが、一説に滝が禊祓の聖地になったために移されたといいます。
熊野夫須美大神=イザナミが女神であること、黄泉の国で穢れてしまったこと等々、禊祓にはふさわしくないってことでしょうか?

鳥居と那智の大滝
那智の大滝

おっかしいなぁ…
那智大社青岸渡寺那智の大滝はどれも初めての参拝じゃないのに初めて参拝した社寺のように新鮮な感覚。
疑問も次から次へと湧いてくる。
滝がらみの撮影は、まぁ覚えていますがw。
以前の参拝の時はいったい何を考えてたのかって話。
フィルムカメラの時は初心者で何もわかってなかったり、家族とかイトコと一緒でそういった思索に耽るヒマがなかったり…
どんな社寺でも一度や二度参拝したくらいでわかった気になるのはよくないってことでしょうかね~?

そんなことを考えながら次の目的地は熊野速玉大社
神社ひとつ参拝したらお昼になりそうな時間だったので、本宮のある山の中より市街地が近い方が昼食を食べるのによさそうだったからw。
「速玉」の名が示す通り、御子速玉大神と熊野夫須美大神を主祭神として祀ります。
神代の時代に神倉山の磐座であるゴトビキ岩に二神が降り立ち、そこで祀られることとなったといいます。
12代景行天皇の時代に今の場所に祀られることとなり、もともと祀られていた所である神倉山は神倉神社となり、それを「元宮」、後で建てられた社=現在の速玉大社は「新宮」と呼ばれるようになりました。
新宮市の名の由来ですね。
那智大社の由来とあわせて考えると別の神さまのような気もする由来ですねぇ…
ますます熊野権現がよくわからなくなってきました(^^;)
こちらも一度参拝してるハズなんですが、記憶に残ってるのは真新しい朱色の社殿があったくらいのもの。
鳥居の前に立っても「こんなんだったっけ?」って(^^;)
荘厳な社殿が整然と並んでいます。

熊野速玉大社・入口
注連縄
熊野速玉大社・整然と並ぶ社殿
熊野速玉大社・拝殿

那智大社、速玉大社と参拝して、いずれも社殿が整然と立ち並び、朱塗りも真新しく美しいですね☆
以前参拝した時以降に修復でもしたんじゃないかと思えるほどです。
…改めて、前に参拝した時の記憶が全然ない(^^;)
本宮はどうなんでしょう?
こちらもヤタガラスの幟があったのを覚えてるくらいで社殿の記憶はすっぽり抜け落ちてます。

ともあれ新宮市街で昼食。
せっかく和歌山まで来たんだから海鮮、できればまぐろを食べたい♪
どうせ夕暮れまで歩き回るんだからいつものアレは夕食に回して昼食は海鮮丼みたいなモノを食べよう☆
事前に調べておいたJR新宮駅前のお店…定休日!?
水曜休みってかいてったのに~(--;)
そういや那智から新宮に来る途中でみかけたお店があったっけ。
そっちに行ってみよう。
寿司和食 まえ田」で「生まぐろ鉄火丼」「丼」というより「重」みたいなキレイなおひつにまぐろのお刺身たっぷりでぜいたくな一品、これ絶対ウマいやつ~\(^▽^)/

生まぐろ鉄火丼@まえ田

さあ、ハラごしらえも済んだし熊野三山の残る一つ、熊野本宮大社に向かいましょう☆

つづく。