のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

藤森祭、その後

勇壮な駈馬神事を堪能した5月5日、菖蒲の節句
前回の記事で「お神輿が興味深い」という話をしましたが、改めていろいろ調べてみました。
すると…「藤森祭の神輿はすげ~おもしろい♪」ということがわかってきましたw。

まず気になったのは神輿の数。
4つだそうです。
宮本下之郷深草東福寺女神輿
女神輿…どんなものなんでしょうか?
ギャル神輿みたいなモノを連想してしまいますがw。
どうもやはり担ぐのが女性ばかりのようです。
これも一度見てみたいものですね♪

で、何より一番気になったのはボクが出くわした「東福寺郷」神輿。
実は仕事でよく東山通り沿い、赤十字病院から大谷高校、妙法院あたりをクルマで走ってるんですが、そのあたりに「藤森神社神輿巡幸につき交通規制あり」の貼り紙をみかけました。
前回の記事でも確認した京阪の駅名ですが、大阪から京都に向かって、墨染~藤森深草龍谷大前)~伏見稲荷鳥羽街道東福寺
藤森から東福寺までけっこうな距離があります。
でも神輿が巡幸するということは東福寺のあたりまで氏子域内ということ。
このあたりまで来るんだ~、と。
…いや、それよりも。
あいだに伏見稲荷大社があるじゃないか。
京都でも、いや全国的にも有名な全国稲荷社総本宮
その伏見稲荷も藤森神社の神輿が通る=氏子域内ってことになりますよね?
よけて通るの?
藤森神社と伏見稲荷ってどういう関係なの?
とまあ、こんな風に疑問が次々湧いてくるのです。
で、神輿のルートを確認してみると、どうも藤森神社の神輿が必ず伏見稲荷に立ち寄ることがわかりました。
へ~、それは一度みてみたい☆

藤森神社と伏見稲荷では、藤森神社のほうが古くからあったそうです。
藤森神社はいまから何と1800年前、神功皇后がこの地に創建したといいます(西暦203年)。
スサノオノミコト、ワケイカヅチノミコト、ヤマトタケルノミコト、そして神功皇后自身とその子の応神天皇応神天皇の子の仁徳天皇など十二柱をご祭神としています。
現在の伏見稲荷大社がある場所は、昔は藤尾(ふじのお)と呼ばれ、藤森神社の社域でした。
一方の伏見稲荷大社は711年の創建といわれていますがその前から稲荷山上に鎮座されていたという説もあるようです。
ともあれ、この稲荷大神を山上からふもとの社に移す際に、藤森神社の土地を借りたとのこと。
で、藤森祭の折、4つのうち女神輿を除く3つの神輿が伏見稲荷の域内で藤森の神(舎人親王)を祀る藤尾社の前で神事を執り行います。
しかも、昭和初期ごろまで藤森側が「土地返しや」と声をかけると稲荷側は「今お留守」と返し、藤森側が「来年も来る」と言って去っていく、というやりとりがあったそうです。

伝説によると、人間に化けたキツネが藤森神社の神官に稲荷山のふもと(藤尾地域)を貸してほしいとお願いしました。
「祠を立てたいので、稲の束を置く場所を貸してください」
神官としては、それほど広い土地は必要ないだろうと思い、承諾しました。
ところが、狐たちは大きな稲の束をいくつも持って来て稲荷山を囲んでしまいました。
騙された藤森神社は、腹を立てましたがどうしようもありませんでした…

おもしれ~☆
今はもうやらないのかな?
やってくれたらおもしろいのにw。

いろいろ調べると藤森神社と伏見稲荷の関係はとってもおもしろいですね☆
711年の伏見稲荷創建については秦伊呂巨(具)という人が携わったそうですが、下鴨神社のご祭神・タケツノミの二十五世の末裔だそうです。
一方の藤森神社のご祭神にワケイカヅチ(別雷)がおられます。
上賀茂神社のご祭神で、タケツノミの子。
そうやって考えると、藤森にしても稲荷にしても、賀茂川(鴨川)の上流地域に住んでいた人が賀茂川沿いに徐々に下流域へと進んでいった経緯が想像されます。
まだ京都に平安京がなかった時期、それほど歴史の表舞台ではなかった頃のお話。
神話と歴史の境目の物語。

最近特に神社参拝に合わせてたくさんの神さまの名前を記憶するようになりましたが、何が楽しいって、神さまがいろんなところでどんどんつながっていくところですね~☆
藤森神社は祭や紫陽花で何度も参拝してましたが、こうして改めてご祭神について学ぶとまたいろんなつながりがみえてきます。
スサノオはそこらじゅうに祀られてますが、京都ではやはり八坂神社でしょう。
スサノオにタケツノミ、ヤマトタケルといった勇者、三韓征伐の神功皇后
勝運の神さまというのも納得のラインナップw。
神功皇后祇園祭の山鉾の複数ご神体として祀られているほか、去年参拝した但馬国一宮・出石神社にそのご先祖の渡来系の神さまが祀らていました(神功皇后は渡来人の末裔ってこと?)。
応神・仁徳天皇といえばことしの初詣で参拝した宇治上神社にも鎮座されています。
やっぱり神社はおもしろい!

藤森祭ではやはり名物の駈馬をみたくなりますが、来年は神輿行列を見物に行こうかな?
それと、改めて伏見稲荷にも参拝しに行かなくっちゃ♪

伏見稲荷の千本鳥居(過去pic)
藤森神社(過去pic)