のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

ドカベン

noririn_06102012-03-08

ドカベン」ついに最終章へ!新球団加えトーナメント戦(コミックナタリー)
http://natalie.mu/comic/news/65730

我が家がお江戸から京都に引っ越す際、兄が同級生からもらったという「ドカベン」。
野球にはまるで興味がなさそうな兄がその続きも単行本を集め、全48巻そろえました。

少年野球を始めたボクがせがんでそれを引き継ぎ、「大甲子園」のほかにも「球道くん」「一球さん」「野球狂の歌」など、水島新司先生の野球マンガをたくさん買い集めました。
野球をプレイすると同時にマンガを書くのが好きだったボクは、よくドカベンの絵をマネてかいてました。
あだち充先生の「タッチ」もよく絵をマネましたが、普通の絵はともかく野球のプレイ中の迫力、臨場感という点においては、個人的に水島先生の絵に勝るものはないと思います。

これは余談ですが、実は「タッチ」で試合をやってる野球場はドカベンに出てくる保土ヶ谷球場(実在)をマネていたのではないかと個人的に疑念を抱いています。

水島新司先生の作品、とりわけ「ドカベン」はボクにとってのバイブルでした。

一番印象に残っているシーンは?との問いに、思わず「ひとコマひとコマ全部」といいそうになってしまいます。
そんな中、ひとつだけ挙げるとすると、ドカベン第35巻の神奈川県大会2回戦、不知火守率いる白新高校との一戦。

延長10回表、1アウト満塁、バッター微笑三太郎がスクイズバント
小フライとなった打球を不知火がヘッドスライディングでダイビングキャッチ!
飛び出していた一塁ランナーのドカベン山田太郎が帰塁できずにダブルプレー、あえなくチェンジ…と思ったら、フライ捕球から一塁ランナー山田がアウトになる間にホームベースを踏んでいた岩鬼の生還が認められて虎の子1点をもぎ取ることに成功!?

…え?なんで?
そんなルールがあるの?

よくよく考えるとわかるんですが、フライ捕球に伴うタッチアップは審判へのアピールプレイであって、「捕球より前に塁を離れた」ということを審判に訴えてそれが認められないとアウトにならないわけです。
山田はアピールを受けてアウト、しかし三塁の岩鬼はアピールを受けていないので実際はタッチアップしてないのにタッチアップとして認められてしまう…ということなのです。

そんなの現実にあるわけないよね〜♪
…と思ったら、高校野球の実際の試合中に同じことがあったのです!
ランナー2,3塁で、レフトへのライナー性の打球をレフトの選手がダイレクトでキャッチしたのに、三塁ランナーはそれに気づかずホームイン、レフトの選手も二塁の方が近かったので二塁ランナーを刺した、と。
水島先生の偉大さを強烈に実感した瞬間でした。

上の内容をみてボクが野球が大好きなのはわかっていただけると思います。
しかし、ボクは現在のプロ野球だいっキライです。
その理由のひとつに、「ドカベンプロ野球」に対してプロ野球コミッショナーが実在チームや選手を登場させるなら商標権料を支払えといってつぶしたことがあります。
新球団を作る必要があるのはそのためなんです。
プロ野球、いや野球をこよなく愛する水島先生に感謝を述べるどころか、くだらないいちゃもんつけてスポーツ記者すら知らないネタでいろんな選手を紹介してくれる作品をつぶしたくせに、プロ野球全体の質の向上とりわけドラフトやFA改革をまるでやらない。
結果カネがすべてのつまらない球団のつまらない試合。
そんなものを1分1秒たりともみたくないと思うようになったのです。

水島先生の作品は、どれも「野球は9人でやるもの」ではないということを痛感させてくれます。
敵チームにも強力なライバルがいてこそ野球は盛り上がる、9人対9人、すなわち野球は18人でやるものなのです。
両チームの控え選手も入れればさらに数も増えるでしょう。

ドカベン」は、超人的な消える魔球だの分身魔球だのを出さなくても、野球のそのままの楽しさがあれば野球マンガはおもしろいということを世に知らしめたマンガです。
ボクは本当に野球が好きでした。
兄も数年前に王さんがWBCで優勝して胴上げされているのをみて感涙して、実は自分は野球が大好きだったんだとを痛感したと語っていました。

ドカベン」最終章という報に、そんなことをつらつら思い出しました。
水島先生の次の作品に期待しています。