のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

365日

ことしがうるう年なので、東日本震災からきょうで丸365日が経過したことになります。
改めて、犠牲となった方々のご冥福をお祈りするとともに、今なお復興のメドが立たない被災地に一刻も早い平穏が戻ることを祈念します。

観測史上最大のマグニチュード9.0という大地震
地震と大津波による破壊と、その後の原発事故による放射能汚染。
この未曾有の大災害は「日本」という国がどういうものかを垣間見せてくれたように思います。

がんばろう日本」のスローガンのもと、唇をかみ締めて耐える被災した人々。
一致団結して被災者を支援しようとする多くの善意の心。
治安の乱れも少なくその姿は国際的にも賞賛を受けました。

しかしその一方で、かねてから述べているように、ボクは徹底的に国(政治家・省庁・官僚)、マスメディア、電力会社に怒りにも似た疑念を抱くようになりました。
マスコミでは堂々とウソがまかり通り、しかもそれを誰も何も批判しない、話をはぐらかす。
世間に広がるのは事実と安心ではなく、ただただ東北ブランドへの風評被害ばかり。

この1年、新聞・テレビ以外のメディア、主に雑誌系の情報を集めることに終始しました。
読んだ震災報道と原発関連の書籍は以下のとおりです。

福島原発の真実」佐藤 栄佐久(前福島県知事)・著、平凡社新書
原発賠償の行方」井上 薫・著、新潮新書
原発報道とメディア」武田 徹・著、講談社現代新書
原発のウソ」小出 裕章・著、PHP新書
新聞・テレビはなぜ「ウソ」をつくのか」上杉 隆・著、PHP新書
タブーの正体!」川端 幹人・著、ちくま新書

下の2冊は震災・原発とは直接関係ありませんが、どちらもマスコミの震災報道のあまりのひどさに端を発した著者の憤りが全面に出ている本です。

責任をなすりつけ合って誰一人責任をとらない政治家と官僚と東電、その態度。
大災害で人々の生活が壊滅しているにもかかわらず、あろうことか復興の名の下に増税でさらに国民からカネを搾取しようとするこの国の指導者たち。
それらを検証、糾弾するどころか翼賛に走る新聞、テレビ。

それはまさしく連戦連敗の中にあっても「大勝利」と国民を偽り欺き続けて破滅へと突っ走った太平洋戦争当時の日本の姿。
その後もこの国はあの戦争から何一つ学ばなかった、明治維新以降ロクに進歩していないどころか退化すらしている、極めて愚かな国だったということが白日の下にさらされたのです。
怒りを通り越して、ただ悲しい気分になるばかりです。

原発事故と国による情報操作・隠蔽は確実に日本の国際的評価を地におとしめています。
国がTPPで売り込もうとしている日本ブランドの農作物がもてはやされることはもうないでしょう。
さらに隣国へと直接つながっている広大な海に現在も汚染水を垂れ流している現状。
その隣国などから放射性物質が発見されたとき、日本は損害賠償を請求されることを覚悟しなければいけません。
すでにそうした動きが国際社会でははじまっています。
ジャパン アズ ナンバーワン」はそうやって今も愚かな政府といち電力会社によって破壊されている、この損害たるやどれほど甚大か。
で、このことを報道した新聞・テレビははたしてどれほどあるでしょうか?

改めてカミングアウトしますと、ボクはかつてマスコミに身を置いていた者です。
在籍当時からカネ=スポンサーに弱いマスコミの体質と、いわゆる大マスコミの連中の非常識、陰湿ぶりを実体験で知っていましたが、今ほど露骨ではありませんでした。
マスコミから離れたのは偏にボク自身の記者、いや社会人、大人として無能だったからにほかなりませんが、今となっては、負け惜しみと揶揄されることを恐れず、ハッキリいうことができます。
ああ、こんな腐った世界に身をおいていなくてよかった」と。

みなさんに申し上げておきます。
マスコミ、記者というのはそれほど特別な人間ではありません。
ボクがやってたくらいですw。
そんな人間が国や官僚、大企業と一緒になかば特権階級者のようなツラをしているのが今の日本のマスコミです。
先の震災において、これらマスコミの罪も政治家や官僚、電力会社と同等以上に批判されなければなりません。
原発から半径20km圏内は安全」と報道で垂れ流しておきながら自分たちは会社の内規に基づき50km圏内に立ち入らないようにしていたことを一切読者・視聴者に知らせない彼らの罪をもっともっと糾弾すべきです。

ボクはボクの正義に反することをし続けることができない。
ボクがマスコミの世界から逃げ出した理由です。

われわれは、われわれ日本人が長い歴史の中で培ってきた正義を忘れてはいけません。
その正義を忘れなければ悪意や欺瞞を見抜くことができるとボクは信じます。
今の日本は正義がないがしろにされ、嘲笑される世の中に思えます。
だとすると、最後に勝つのは最も不正義な人間だろうと思います。
そんな世の中にしちゃいけない。

正義は必ず勝つ

それすら信じることができない日本なら、いっそ沈没してしまえ。

われわれ国民はもっと怒らなければなりません。
怒りの声を権力の座に居座っている連中に叩きつけなければいけません。
黙々と苦しみに耐え続ける必要などないのです。
がんばらなければいけないのは被災者のみなさんではなく、彼ら権力者たちです。
人々ががんばらなくても豊かに暮らせる世の中にする義務が彼らにはあります。
そんな権力者がいたとしたら、被災を免れたボクらは微力でもこぞってサポートしていくはずです。
そのときこそ、日本人の正義を世界にみせつけてやろうではありませんか。