のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

よいこの歴史講座〜近代とは何か?

noririn_06102011-06-18

長雨にお出かけの機会もめっきり減っている今月。
徒然草ばかり読んでても疲れるのでちょっと息抜き♪

歴史学の初歩の初歩、「時代区分」特に「近代」についてできるだけわかりやすく説明してみようと思います。
実はのりりんの専門分野だったりします(^^;)


「時代区分」というのは、時代のその特徴によって歴史の「帯」を区分して長大な世界の歴史をわかりやすくしようという手段です。
要するに、歴史を「古代」「中世」「近代」と、便宜上「近世」に区分することです。
西洋史を基準に分割されているので西洋以外の国の歴史を区分するとなかなかうまく合致しないのですが、例外が「日本」という国と「近代」という区分です。


まずは基準となる西洋史の時代区分。

古代 … ゲルマン民族の大移動、西ローマ帝国滅亡まで
中世 … ルネサンス大航海時代コロンブスの新大陸発見 1492年)
近世 … ルネサンス産業革命
近代 … 産業革命以降
(現在もここに入ります)

古代はもちろん人類の文明開始がスタートです。
共産主義唯物史観的にいうと、さらにその前に「原始共産主義」なる共産主義理想社会的な区分があったりしますが、ここでは割愛します。

これは生産体制を基準に区分したものであり、古代は「奴隷制」、中世は「封建制」、そして近代が「機械」です。
近世は、資本主義の開始という近代的要素と、産業革命以前という前近代的要素が折り重なった、近代への過渡期です。

続いて例外といった日本の時代区分はというと、

古代 … 平安時代中期まで
中世 … 平安中期・摂関時代〜室町時代(戦国時代)まで
近世 … 安土桃山時代・江戸時代
近代 … 黒船来航

何が例外かというと、日本では奴隷制が早くに消滅した代わりに、天皇大和朝廷による「統一国家体制」というものをはめ込めばピタリ西洋史に符合してしまうという点です。
国史の場合、なかなか西洋史にあわせにくいため、時代区分に諸説あってそれらをいちいち説明していると論文が一本書きあがるほどの紙数が必要になりますw。


そこでもうひとつの例外。
日本でも、諸説あって区分しづらい中国でも、その他の地域であっても「近代」の開始についてはほぼ例外なく符合するキーワードがあります。

西洋の衝撃ウェスタン・インパクト)」といいます。

上にあるように、日本では黒船来航(1853年)です。
中国ではそれより少し早いアヘン戦争1840年)がこれにあたります。
すなわち、いち早く産業革命を成し遂げて近代に移行した西洋諸国が植民地獲得のためにアジア・アフリカなどに乗り出し、その進出先の国・地域と衝突した事件のことを「西洋の衝撃」というのです。
「西洋の衝撃」に遭遇した国は、その衝撃に対してリアクションを起こします。
徹底的に排斥するか、協力して自国の強化をはかるか。
どちらもうまくいかなかった国に待っているのは植民地という過酷な道。
いずれにせよそうして世界全体が否応なく近代という時代に組み込まれていくのです。

では、その近代とは何なのでしょう?
産業革命というものがもたらした社会とは?


続きは次回。