のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

歴史を学ぶということ

noririn_06102011-06-15

リンカーンなぜ偉人?米生徒は歴史が苦手(msn産経)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110615/amr11061513530012-n1.htm

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は14日、米国の児童、生徒の歴史の成績が他教科に比べて悪く、日本の小学校4年生に相当する児童の多くは奴隷解放宣言を出したリンカーンが偉人である理由を答えられないと伝えた。

 歴史の学力に関する調査は昨年春、日本の小4、中2、高3に相当するそれぞれ7千〜1万2400人を対象に実施、成績を4ランクに分類した。同種の調査は年によって別教科で実施され、読解、理科、経済、数学などが対象になる。

 14日発表された歴史の成績は上位2ランクの合計が小4の場合20%、中2では17%、高3は12%にとどまった。公立学校での人種分離教育を違憲とした連邦最高裁の歴史的な「ブラウン訴訟判決」の問題に正答できたのは高3の50人に1人だった。

 同紙は、米国生徒が最も成績の良い教科は経済だとし、06年の高3の調査で成績上位2ランクの合計が42%に上った。(共同)

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アメリカにおける「リンカーン」は、日本における「福沢諭吉」「板垣退助」くらいの位置づけでしょうか。
キーワードは「近代」と「人権」。
いずれもそれぞれの国の紙幣に肖像画が採用されていますね☆
リンカーンにしても福沢諭吉にしても、小学4年生で知っておかなければならないというのはいささか酷かもしれません。
いや、歴史知識において、日本の小学生も大差ないということでしょうか。
ただ、アメリカという国の歴史は近世〜近代からはじまるので、日本と比べて歴史的偉人・有名人や歴史事件の量はぐっと少なくなるはずです。

学生のころ、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読みました。
一番印象に残っているのは、竜馬が学問を志して友人で秀才といわれた武市半平太(のちの土佐勤皇党党首・武市瑞山)に何から学べばいいかを質問したところ、半平太が言ったのは「学問をするならまず歴史をやれ」と言ったところです。
すでに歴史好きで歴史学部に在籍していたのでこの言葉に大変共感しました。

歴史とは、ただ過去の出来事を知るための学問ではありません。
「今」をより深く理解するための学問だとボクは常々考えています。
歴史に対する無知は、あらゆる分野においての「今」に対する無知につながります。
歴史とは、人々がこれまで何を考え、どのように行動してきたかということにほかなりません。
これを学び知ることは、過去から現代に至る「人」に対しての理解を深めるということです。
人々の行動の根拠が理解できないと歴史の因果関係が理解できないのです。
そう考えると、アメリカという国が経済の成績がよくてもリーマンショックなどの愚かな失敗をやらかしたり、他国の人々を踏みにじって戦争に明け暮れるのも理解できる気がします。
オバマアメリカ史上初の黒人大統領になったことから、黒人差別はもはや過去のこととして重要視する必要もないのでリンカーンやブラウン訴訟事件の重要性も薄れている…と、好意的にとらえることもできないことはありませんが。

われわれ日本人はどうでしょう?
アメリカに負けず劣らず日本でも他者に対して無知無頓着な人間が増えているのは、歴史に対する無知無学が原因である…そういってしまうのは飛躍した考えでしょうか?

来月はいよいよ祇園祭
山鉾に託したむかしの人々の想いにふれるよい機会でもあります。
ことしもいっぱい楽しもう♪
そしていっぱい学ぼう♪