何事にも卓越していようとも、色恋に酔えない男は、どこか間が抜けており、美しいのに底が抜けている杯みたいなものです。
夜露に濡れながら、あてどなくさまよって、親の忠告や世間の非難にもうわの空で効き目なく、あれこれと思い悩んで、あげくに幾番も独り眠れぬ夜を過ごす、というのがいいのですよ。
そうはいっても、色に溺れることもなく、女性に軽々しい人と思われないというのが望ましいのです。
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ん〜、隠棲者の坊主の話とは思えませんねぇw。
『徒然草』は兼好が若いころに書いた文章もあるらしいというので、まあ、こういう恋愛観については坊主というより公家のころの考え方とみるほうが理解しやすいのかもしれません。