のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

双ヶ丘と古社

10月31日、ハロウィンですね☆
普通に生活してても商店街等でハロウィンの飾り物や「ジャック・オー・ランタン」等をあしらった商品が売られているくらいで特になにがあるわけでもありませんが(^^;)
若者は仮装して街に繰り出したりするんだろうか?
ハロウィンはキリスト教伝播以前のケルト民族の「おおみそか」の行事です。
おおみそかには先祖の霊が帰ってくるという信仰があり、それが発展してオバケイベントへと変容しました。
日本では旧暦のおおみそか節分すなわち2月3日。
節分に来るのはオバケではなく鬼。
びみょ~に違う、というより共通するものがある気がします。
1年の最後の日という節目にオバケやら鬼やらが来るというのは人類共通なんでしょうか?

そんな話はさておき。
休日のきょうも山を中心とした散策に出かけよう♪
当初は雲海が出そうな天候かもと思って再度大江山に行こうかと考えてたんですが、前日まで日勤5つのあとの1日だけの休日、帰宅してほんの少し仮眠して遅くても丑三つ時に出撃…というのはさすがにキツい(^^;)
天王山でもよかったんですが、ちょっと別のところに行ってみよう。
そう考えて向かったのは太秦方面、双ヶ丘(ならびがおか)。
先ほど節分の話にちらっと触れましたが、兼好法師の『徒然草』に京の都のむかし(鎌倉末期)の節分の様子がえがかれています。(吉田神社追儺式=節分行事も登場します。)
徒然草』を読むと、兼好法師仁和寺の僧と頻繁に交流を持っていたことがわかります。
仁和寺の僧の話題が『徒然草』にいくつも出てきます。
公家のころからなのか出家してからのことなのかはよくわかりませんが、ボクが勝手に命名仁和寺のアホ坊主列伝」w。
石清水八幡宮に参拝に行ったはいいけど本殿が山の上にあることを知らずに麓だけ参拝して帰ってきちゃった坊さんの話(第五十二段)。
宴会で鼎(金属製の三本足の器)をアタマからかぶって抜けなくなって、思いっきり引っ張ったら鼻と耳がもげちゃった坊さんの話(第五十三段)。
そして第五十四段に、坊さんたちが美しい稚児を双ヶ丘に誘い出して、山に隠しておいた趣向を凝らしたプレゼントをしようとしたけど隠し場所を忘れてしまってげんなりする話があります。
仁和寺は双ヶ丘のすぐ北側にあります。
そんなにカンタンに双ヶ丘って上れるのかとこれまでずっと思ってましたが、上ったことがありませんでした。
現在絶賛山登り訓練中でもあるので、一度上ってみようと思い立ったわけです。

いつも日勤で仕事に行く時間に出て、JR花園駅付近のコインパーキングに駐車。
歩いて5分ほどで双ヶ丘の南端の「三の丘上り口」にたどり着きます。
北側の仁和寺嵐電仁和寺駅)の近くにも「一の丘上り口」がありますが、そっちはまたの機会に(^^;)
入り口に少しだけ急な石段がありますが、その先はなだらかな木製の階段と土の山道。
双ヶ丘には北から順番に一の丘・二の丘・三の丘があって、一番高い一の丘でも標高116m。
文字通りの丘で山登りというほどキツくはありません。
5分ほどで雑木林の中に少し開けた場所、三の丘広場に到着。楽ちんです♪

双ヶ丘・三の丘上り口(スマホ撮)

深い林の中でどっちに行ったら二の丘かよくわかんないんだけど(^^;)
…あ、朝の日射しがみえるから、北に向かうなら日射しを右手にみればOK!ってな具合で二の丘へ。
山登り用にコンパス持っといた方がイイかも(^^;)
さらに5分程度で到着した二の丘の広場は花壇などが設置されて公園化されています。
さらに拡張整備される気配で、こんな朝早くにすでに係の人が手入れしてますね。
コスモスがまだ咲いてる♪

二の丘広場・コスモス(スマホ撮)

二の丘から少し下り道を行くと「とおみのひろば」東の比叡山の方面に向かって視界が開けます☆
…でも樹々が茂っててそれほど広くみわたすことはできませんね~。
設置されてる見取り図には手前に妙心寺京都御苑もみえるみたいなんだけど、樹々でみづらいです(^^;)
ここまで早朝のほの暗い林の中だったからカメラを出さずにスマホでちょこちょこ撮ってたけど、ベンチもあるのでここから一眼デジ撮影♪

とおみのひろばから比叡山方面

一度少し下ってまた上ったら一の丘に到着☆
ここまでの途上に双ヶ岡古墳群という24の円墳があって一の丘の脇に1号墳がある…らしいんですが、樹々で覆われてるのでどこがどれやらよくわかりません(^^;)
でも一の丘じたいが古墳みたいな雰囲気がありますねw。
ここからは南西の方角と北側の仁和寺がよくみえます☆
仁和寺のすぐ近くのクレーンがジャマだなぁ…
マンション建ててるんだっけ?
建っちゃったら確かに景観が台無しですねぇ(^^;)

一の丘
南西方面のみはらし
仁和寺方面、クレーンがジャマ

所要時間20分程度、軽く汗をかく程度でした。
今度は東側に下って行って「こもれびのひろば」。
キレイな公衆トイレもあるので散策の拠点になりそうな公園です。
山の東側をぐるっと半周するように遊歩道が整備されてて散歩にはいい場所かもしれません♪

こもれびのひろば

というわけで双ヶ丘を離れて、駐車場を通り越してJRの線路より南側へ。
南北に3つの丘が連なる双ヶ丘、その稜線を南に延長した位置に鎮座するのが蚕の社です。
正式には木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)といいます。
建造物自体ははそれほど古くないものの、京都市内でも最も古い神社のひとつといわれています。
この神社付近、太秦(うずまさ)は平安建都以前の飛鳥時代は豪族の秦氏の本拠地だったという地域です。
その名の通り渡来系の氏族で、『日本書紀』によると応神天皇の時代に朝鮮半島百済)から帰化した弓月君を祖とする一族と言われます。
彼らは優れた治水土木工事や養蚕・機織などの産業をもたらし、はじめ奈良に定着しましたが各地に移住、京都だけでなく摂津(大阪)、播磨(兵庫)さらに四国の阿波(徳島)・伊予(愛媛)でも土着して産業を広めました。
京都では蚕の社のほかにも松尾大社伏見稲荷大社等を創建、この地域の開拓・発展に大いに寄与した氏族です。
そんな秦氏の本拠地の神社が蚕の社です。
ご祭神は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)記紀神話で最初に登場する神さまですが、どうもこれは神社の創建のあとになって設定されたもののようです。
延喜式』には神社の名前の通り天照御魂神(あまてるみたまのかみ)が祀られていたとあるそうです。
もうこのへんからかなりミステリーな香りがしてわくわくしますw。
この天照御魂神という神さまも名前が似ている天照大神のことか、あるいは別の太陽神かと諸説あるようで定かではありません。
で、本殿に祀らている神さまではなくそのとなりにある摂社・蚕養神社から蚕の社と呼ばれている、と。
産業を興した秦氏らしい社はむしろこちらですね。
不思議な神社です。
極めつけは三柱鳥居
全国に数件かしかなく、しかもそのうちのいくつかはこの蚕の社のものを模したもののようです。
真ん中の御幣がとびきり神聖な雰囲気を醸します。
一説にこの三柱鳥居がえがく三角形の頂点の方角がそれぞれ双ヶ丘・松尾大社(松尾山)、伏見稲荷(稲荷山)を向いていて、その三方向から遥拝するためだとか何とか。
松尾大社伏見稲荷蚕の社と同じ秦氏によって建造された神社です。
…また呼ばれた?
ことしすでに3回伏見稲荷に参拝して、松尾大社にも五山の送り火の際に参拝してますし(^^;)
あと、個人的に気になったのが境内に入って最初にみる稲荷社。
こんな石の蔵みたいな社、ほかではみたことがないなぁ。
トドメに拝所に掲げられた提灯に二葉葵。
これ上賀茂神社下鴨神社と一緒ですよね?どういう関係?
もういちいち調べてたらキリがない(^^;)
何から何まで不思議な社です。

蚕の社・神明鳥居
蚕の社木嶋坐天照御魂神社
三柱鳥居
石の蔵の中の稲荷社
二葉葵の提灯

で、今回もひと汗かいてスーパー銭湯…なんですが。
その前に前回行った「玉光湯ひじりのね」をGoogleマップで調べてたら近所に羽束師神社という神社があることを知って、そちらにも参拝してみようと思い立ちました。
というわけで太秦から一気に南下して伏見区
羽束師神社は正式には羽束師坐高御産日神(はづかしにますたかみむすびじんじゃ)。
名前も蚕の社に似てますねぇw。
ご祭神は神社の名前の通りの高御産日神(たかみむすびのかみ)。
蚕の社天之御中主神の次に高天原に出現した神さまと言われています。
地理的にも双ヶ丘・蚕の社のほぼ真南の線のさらに延長線上にあって、両社の関係が気になるところ。
神社の歴史も蚕の社に負けず劣らず古く、創建が雄略天皇21年といいますから神話からギリギリ歴史の時代に入ったところくらい。
現在の社・境内はそれほど大きくありませんが、かつては山城国第一の社として大社に列せられていたそうです。

羽束師神社
羽束師神社(本殿)
ご神木でツメとぎにゃんこ

双ヶ丘から南に京都でもとびきり古い社を2つ参拝しました。
ミステリアスなことが多すぎてここでは全部かききれないほどいろんな神話や歴史が交錯します。
まだまだ知らないことが多すぎて(^^;)
というわけできょうの散策はこれにて終了。
羽束師神社からすぐそこ、前回と同じ「玉光湯ひじりのね」でひとっ風呂浴びて、昼食はウチの近所まで戻ってきて「てっぺん」で「中華そばブラック・肉増し」真っ黒スープはがっつりしょうゆ味でコシの強い中太麺と相性よし、バラチャーシューも(^▽^)ウマウマ~♪

中華そばブラック・肉増し@てっぺん

いよいよ11月に入って最初の休日に愛宕山登山の予定です。
いまのところ天気もよさそう♪
装備も充実させたし体力もかなりアップしてる…ハズ(^^;)
まあ、無理せずのんびり登山を楽しめればいいかな~、と♪