のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

デモ

再稼働に抗議 官邸前に人の波(毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20120630k0000m040057000c.html

ついにマスコミも一部でこのデモを報道するようになりました。
mixiニュースの毎日新聞だけでなく朝日新聞、NHKきのうの夜9時のニュースでもちょっぴり報道されました。
また、野田総理がデモに際してはじめてポロッと口にした言葉も報道されていました。
これが総理や官房長官の公の記者会見などでデモに関する質問が出るくらいになればマスコミの本気を感じることができるんですが…現状ではとりあえず報道したという事実だけを残す「ガス抜き」として受け止めておいた方がいいでしょう。

ボクも意見としての「大飯原発再稼動反対」に賛同する者ですが、デモの様子をYoutubeを中心とした動画サイトでみていると一抹の不安を感じることも事実です。

ひとつは、この異様な盛り上がりをみて逆にひいてしまう人もいそうだということ。
同じように「再稼動反対」を意見として持っているのに、デモ参加者と同じ意見であるレッテルを貼られることに抵抗感を持つ人もいるのではないか、ということです。
それは「再稼動反対」という意見そのものへの抵抗感につながる心配をはらんでいます。
意見の表明がタブーとなる社会には確実に不満が発生・拡大します。
逆にその不満のはけ口としてデモが拡大しているとも考えられます。

もうひとつは、事故が心配。
今のところデモ参加者も規制をかける警察も大変理性的に行動してくださっている様子ですが、人が多ければ多いほど偶発的事故の心配があります。
ただでさえ梅雨時の蒸し暑い中であの雑踏、熱中症などが心配です。
そんな中、主催者発表と警察発表で人数が10倍以上も離れていますが、少ない方をとっても1万人という人が集結していると、将棋倒し、群集なだれといった雑踏事故の発生が起こらないかととても心配です(一応業務上の専門分野ですのでw)。
祇園祭も間近ですが、人が多くなれば多くなるほど当然人は周囲を見渡すことができなくなります。
カメラを持って動画サイトや携帯からツイッターで各々デモの生中継をしている人たちには特に十分気をつけてもらいたいものです。
そして、さらに心配なのは、突発的な事象に伴う暴動への発展です。
もし官邸から公用車などによって野田総理が出てきたり、官邸から顔を出したりしたらどうなるだろうか、予測もつきません。
野田総理自身がデモ集団に対して何をしなくても、総理の移動等に際して警官隊がセキュリティをアップする行動に出るはずです。
その時デモ参加者を強制的に排除しようとしてもみ合い、衝突…なんてことがないとも限りません。
で、万が一事故が起きた場合、誰の責任ということになるんでしょう?
現状においての政府の対応というと、無視し続けてデモがいずれ自然消滅するのが早いか、事故が発生するのが早いか、ということになるんでしょうか。
事故で死傷者が出たらどうするんでしょうか?

最後に、このデモがどう収束していくのかという点。
単純に再稼動が取り止め・中止になること、将来的にでも原発廃止が決定されることが一番の早道でしょうが…いまここで文章にしただけで「それはありえないな〜」と思ってしまいます。
それがないとしたら、ほかにデモを収束する手段があるんでしょうか?
デモは続けられる、それでも粛々と続けられる原発再稼動への準備。
デモ参加者に鬱憤・不満が募るのは時間の問題です。
不満が募ると先に述べた事故リスクが高まります。
群衆が集まることで一番怖いのは不満を解消できないことによる群集心理の高まりです。
再稼動を取り止めないままこの危険な不満を解消するには一体どうすればいいのでしょう?
ボクにはこの問いに対する答えがありません。
そしていっそう危険だと思うのは、デモ参加者が口々に「再稼動反対」を叫ぶ中で、関係のない消費税増税に対する不満も口に出し始めていることです。
こうなるともうデモが原発問題に限らない社会不安、不満の全てを呑み込んで際限なく拡大していってしまう気がしてきます。
デモが回数を重ねるごとに参加者の数が増える(減らない?)理由はそこにあるような気がします。
(実際現場に行ったわけではないので実際増えているのかどうかはわかりません)

野田総理に伝えることができるのであれば、「あなたは上記の観点から現時点で相当追い詰められていることを認識していただきたい」といいたいです。
万が一事故が起きたとしたら、デモ参加者個々人あるいは主催者の責任よりも、現場を規制・警備している警察、そして「政府・野田総理のせい」という声が大きくなるでしょう。

政府やマスコミは、意見とは関係なく、もうこのデモを無視してはいけません。
その他デモ参加者と意見を異にする人々も同様です。
無視しても否定しても、すでに危険な状態が存在しているという事実は消せません。
でないと東日本大震災に端を発する悲劇がさらにひとつ増えることになります。

それだけは食い止めなければならない。