のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

よいこの徒然草・第五十一段

noririn_06102012-01-25

亀山殿の池に大井川の水を引き入れようと、川沿いの住民に命じて水車を作らせたことがありました。多くの費用と日数をかけたのに、水車はまるで回りませんでした。あれやこれやと手直ししたものの、結局どうにもならなりませんでした。
そこで水車で有名な宇治の住人を呼んで作らせたところ、いとも簡単に組み建てて、水車は思いどおりによく回り、見事に水を汲み入れることができたのだそうです。
何事であってもその道に通じている人というのは、たいしたものですね。

※「亀山殿」=後嵯峨上皇が造営された仙洞御所。現在の天龍寺の場所にあたる。
 「大井川」=保津川の嵐山の麓を流れる間の呼称。

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前回五十段で金閣寺が建つ前のことをかきましたが、今回は天龍寺が建つ前の話。

「宇治の人」といってもむかしの「宇治」は山科〜南山城一帯の広い範囲を呼ぶのでどのあたりに住んでいる人なのかはハッキリしませんが、話の流れからイメージされるのは宇治川流域の住人でしょうか。
当時の宇治川は、現在の我が町・久御山町あたりで木津川・桂川と合流して広大な巨椋池を形成していました。
水害の絶えない地域だったそうです。
宇治の水車はこの川と池の水を農業に使うためのものだったのかなぁ?

…てな感じで『徒然草』で連想できる地域に住んでるなんて、ちょっとした自慢話でした

※写真は天龍寺曹源池庭園です。