のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

よいこの徒然草・第四十八段

noririn_06102012-01-04

ある人が年老いた尼を連れて清水寺へお参りに行った時のこと、この尼が道中休むことなく「くさめくさめ」と言いながら歩くので、その人は「尼御前、一体どうしてそんなことをおっしゃるのか」とたずねましたが、尼は返事すらせずに休むことなく言い続けます。何度も問い続けられると、尼は腹立たしげに「くしゃみをした時はこのように唱えないと死んでしまうと申します。乳母としてご養育申し上げた若君が比叡山にあずけられているので、もしかしたら、今、若君がくしゃみをなさっているのではないかと思うと心配で心配で。ですから代わりに唱えてさしあげているのです」と答えたそうです。
何とも珍しくけなげな親切心であることでしょう。

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2012年最初の「よいこの徒然草」です。

初詣の時節、たまたま清水寺にお参りするお話だったのでご紹介。

中世の日本ではくしゃみをすると鼻から魂が抜けるので、そのためにくしゃみをすると寿命が縮まると信じられていました。
そこで早死にを避けるため「くさめ」という呪文を唱えるようになり、いつしかそれが「くしゃみ」という名前となり、その行為そのものを指すようになったといいます。

みなさんは初詣でどんな願いをかけましたか?