のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

よいこの徒然草・第二十二段

何を考えるにしても、古き良き時代にばかり憧れてしまうものです。今時の流行は何事もひどく低俗になってゆくようです。有名な指物師がつくったかわらしい器なども、古代風のほうが見事です。
手紙の文言は、昔のものはたとえ書き損じたものであっても見事です。しかし一方で、話す言葉なども、現代はおかしくなってきています。昔は「車を進めなさい」「灯りをつけなさい」と言っていたのに、近頃では「発車せよ」「点灯せよ」などと言います。「照明係の方々、お立ちなさい」と言えばよいところを「松明で明るく照らせ」と言うようになったり、最勝講をみかどがご覧になる御座所のことを本来は「御講の廬」と言うべきなのに「講廬」と言ったりします。本当に嘆かわしいと古事に通じるご老人がおっしゃっていましたよ。

※「最勝講」=清涼殿にて『金光明最勝王経』を講じ、天下泰平を祈る仏事。

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700年前であっても、いつの時代も「今どきの流行」「流行語」を忌み嫌う人というのはいるもんなんだなぁと思う一節です(^^;)