のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

愛宕山・その2

愛宕神社は全国の900もの愛宕社の総本宮です。
およそ1300年前、大宝年間に修験道の祖・役行者と白山の開祖・泰澄によって神廟が築かれたのがはじまりです。
その後平安建都の少し前に和気清麻呂がこの地に白雲寺を建立、愛宕大権現として国家鎮護の道場になりました。
和気清麻呂は平安建都を計画立案した人物として京都では様々な神社仏閣に祀られています。
京都御所の西側に鎮座する護王神社愛宕山の東側、高雄の神護寺などが代表的。
護王神社狛犬ならぬ狛イノシシで有名ですが、そういや愛宕神社の境内にもイノシシの絵やレリーフなんかがあちこちにありますね。
神社への最後の石段の手前に何やらかいてあります。
なになに、天狗の太郎坊
日本一の大天狗で神使のイノシシにまたがって空を駈けるんだとか。
それで愛宕山はイノシシなんですね☆
愛宕山が京の都からみて「乾(戌亥)」の方角にあるからイノシシってそれだけではないようです。
滋賀・東近江市に「太郎坊宮(阿賀神社)」という社があるけどまだ参拝したことがなかったなぁ。
関係も知りたいことだしまた行かなくっちゃ♪

石段の上の三の鳥居、さらに神門をくぐって本殿へ。
本殿への入り口、向かって左側に末社がふたつ。
アマテラスを祀る「神明社」とイザナギを祀る「熊野社」。
そのすぐ横にはブルーシートがかけられています。
愛宕神社の本殿は現在「令和の大改修」修復工事が実施中ですが、参拝には支障ありません。
厳かに二礼二拍手一礼。
ご祭神は伊弉冉尊(いざなみのみこと)、埴山姫神(はにやまひめのみこと)、天熊人命(あめのくまひとのみこと)、稚産霊神(わくむすびのかみ)そして豊受姫命(とようけひめのみこと)。
イザナミは国生み・神生みの女神さま。
神生みの最後に火の神(火之迦具土神・ほのかぐつちのかみ)を生んだことによって命を落として黄泉の国へ逝ってしまわれました。
イザナミが死の間際にもがき苦しんだ際に生まれたというのが埴山姫(土・土器・土壌から食物の神)で、その娘が豊受姫
あるいは水の神ミズハノメに次いでワクムスビが生まれ、火神カグツチワクムスビをめとって豊受が生まれたとも(『日本書紀』)。
食の神さま・豊受についてはことしこれまでの丹後の元伊勢参拝ですでに認知済み。
これら居並ぶ神々から受ける印象は、女性にとって命がけの出産、命の創造がこの国の豊かな水と土、そこからはぐくまれ命をつなぐ食・農業をも生んだということ。
そしてその豊かさや命までも一気に奪ってしまう火・炎というものへの恐れと畏敬。
しかしその恐ろしい火と尊い犠牲がなければ豊かな水も土も農も生まれなかった、と。

愛宕神社
神明社・熊野社
再来年に向けて現在修復工事中

本殿の左手の回廊を美しい透かし彫りをみながら進むと真新しく大きな絵馬があります。
先ほどのイノシシにまたがる太郎坊天狗。
伊達政宗の家臣・片倉小十郎愛宕山に奉納した絵馬を復元したものだそうです。
2015年にボランティア80人を擁して山上まで持って上がったんだとか。
さぞ大変だったことでしょうね~(^^;)
その絵馬の前を右に進むと若宮、さらに奥宮
ほの暗い社の中で真新しい社殿です。
このあたりはすでに修復が終わってるってことですね☆
若宮には雷神、火の神カグツチ破无神(はむしのかみ)、奥宮には大黒主命ほか17柱が祀られているとのこと。
黄泉の国のイザナミの身に八柱の雷神がヘビの姿をしてまとわりついていたといいます。
「はむしのかみ」?
どういう神さまなのか不明だそうですが「破=やぶる」「无=なし」で火の神・雷の神の厄災を抑える・消すという意味があるのでは、という説があるそうです。

イノシシの透かし彫り
太郎坊絵馬
若宮・奥宮への回廊
若宮
奥宮

ん~、ここまで数多くの神さまについて学んできましたが、改めて記紀神話を読んで知識を深めた方がいいのかもしれない(^^;)
社殿をあとにして石段をおりて。
下に向かって傾いてるところがある石段はやっぱり下りが怖い(^^;)
雨露に濡れてたりしたらさらに滑りやすそうだけど、きょうはさいわいイイ天気でまあ何とかw。
石段の手前の広場で小休止。
木立の隙間から下界がみおろせますが…
師匠から教わった東~南方をみわたせる展望台(?)はどこなんだろ?
あと、さっきスルーした白髭社、一度降りた石段をまた上って…太ももが…それでも参拝(^^;)
これも滋賀に白髭神社があってそこが総本宮
天孫ニニギを道案内した猿田彦命を祀ります。
石段の側とは別に裏手にも鳥居と出入口がありますね。
こっちから下りてくと登ってきた表参道とは別ルートの月輪寺ルートなんだろうか?
そう思って進んでいくと山の東方面がみわたせるポイント発見☆
…でも師匠にみせてもらった写真はもっと南の方を向いてた気が。
別ポイントみたい。
そしてその道はずっと北に一直線に向かってる。
月輪寺方面は東向きのハズ。
スマホの電波が届いてないけど、山登りアプリ「YAMAP(ヤマップ)」で事前にダウンロードしておいた地図で確認すると…道、間違ってた(^^;)
そのまま行ってたらサカサマ峠方面に行っちゃって月輪寺に行けなくなるところだったw。

石段をみおろす
樹々の隙間から
白髭社
白髭社、裏側(?)の鳥居
いい景色♪(道を間違ってるけどw)

来た道を戻ってって白髭社の前あたり。
月輪寺への道しるべ発見♪
わかれ道、せまっ!
少し進むと小さな休憩所が。
そろそろお昼時にさしかかってます。
ほかの登山者グループがお弁当を広げてお食事中。
あ、ココが師匠から写真をみせてみらったみはらしのいい場所だ☆

月輪寺方面へのわかれ道
一番高く、そして広くみわたせる!
南側ズーム

つづく。