のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

湖上の国宝

旅行を延期したとはいえ、連休は連休です。
きのうは雨だったので映画をみにいき、きょうはイイ天気なのでお出かけ♪
貴重な休日、ウチでじっくりホネ休めという考えもありますが、ボクはやっぱりじっとしてられないタチでw。
せっかくだから日帰り旅行くらいの気分で行きましょう♪

関西各地の国宝建造物巡り、行きたいところはたくさんありますが、やはりここは滋賀県をコンプリートしたい。
湖東三山湖南三山は紅葉の名所でもあるので、もう少し秋が深まってから行こう。
前に滋賀県の神社の国宝建造物を調査して確認した都久夫須麻神社竹生島神社)。
そう、琵琶湖に浮かぶ竹生島にある神社です。
前に竹生島に行ったのは10年以上前の西国三十三所結縁ご開帳の時です。
写真を確認したんですが、神社の建物がほとんどありません(^^;)
なぜ撮ってない?のりりんの眼は節穴か?
で、西国三十三所のお寺・宝厳寺はというと、国宝の唐門と観音堂の修復が去年終わったとのことで、前回みたものとは全く違うもののようにきらびやかになっている模様。
これはぜひとも行きたい☆
そんなわけで、ちょっとした旅行気分も味わえる琵琶湖竹生島クルーズに行ってみよう♪

竹生島に行く観光船は彦根・長浜、近江今津の3ヶ所から就航しています。
ウチからの時間を考えると彦根が一番近くて便利。
なので前回同様彦根港から乗船することにします。
最初の便が出る朝9時に間に合うように出発。
前日の雨があがってイイ天気です♪
彦根からの船は「井伊の赤備え船・直政号」と銘打って赤色の船。
かっちょいい☆

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井伊の赤備え船「直正」号

早速乗り込んで、船内の座席はスルーしてデッキ席へ。
船が動き出すと朝のキンと冷たい風が気持ちいい♪
船上からは伊吹山や多景島の風景を楽しめます。
…比叡・比良山系は雲がかかっててよくみえませんね~。

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湖上からの伊吹山
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遠くに多景島

琵琶湖水上の風景を楽しんで、竹生島には40分ほどで到着。
上陸すると大勢のツアー観光客(ーー;)
そっか、長浜の港からだと30分で竹生島に着くらしいので、そちらがひと足早く上陸になるんですね。
到着が9:40、船の出港が11:00で滞在時間は80分。
ツアーの団体客は早く着いた分早く出るだろうから、人混みを避ける意味でものんびり参拝しましょう。

受付を済ませて、すぐ目の前の石段を上ると宝厳寺ですが、脇にそれて先に都久夫須麻神社に向かいます。
きらびやかになった唐門の脇を通って海に突き出た岸壁の上に神社があります。
しかし何で前に参拝したときちゃんと写真撮ってなかったんだろ?
そう思う大きく荘厳な本殿。
伏見桃山城の束力使殿を移転したもの、あるいは創建時の豊国神社社殿を移築したものともいわれており、国宝に指定されています。
その威容もさることながら、細部の彫刻がみごと。
金色のご神幣の奥は扉かな?壁かな?花の彫刻がスゴい☆
海に突き出た龍神拝所も特徴的ですね。

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都久夫須麻神社
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都久夫須麻神社②
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都久夫須麻神社・龍神拝所

…おや、向かって右脇の摂社の前にダックスわんこが2匹。
人なつっこくてすぐによって来ちゃうw。

続いて宝厳寺
舟廊下を通れば神社から観音堂、唐門に抜けられますが、参拝客も多いので外から周り込んで唐門へ。
…唐門の前はツアー客で大混雑(ーー;)
まあいい、移動してくれるまで細部の撮影と観音堂を参拝。
唐門はもともと大坂城にあった極楽橋が京都東山の豊国神社に移築され、さらにその門の部分(極楽門)が豊臣秀頼の命により片桐且元を普請奉行として移築されたとのこと。
現在豊国神社にある唐門(国宝)は伏見城から南禅寺塔頭・金地院を経て現在の地に移築されたといいますが、この大阪城からの唐門が撤去されて空いていたところに持ってきたということでしょうか。
安土桃山時代らしい黒塗りに金色の装飾、極彩色の彫刻。
修復される前はほとんど白木のようだった門がまさに極楽浄土をほうふつとさせるきらびやかさ。
修復されたらこんなことになるなんて想像もしていませんでした☆
修復された唐門は豊国神社のものより本願寺の唐門(日暮門、国宝)に近い気がしますね。
動物や花で飾られた透かし彫りが本当に見事です。
…そういやさっきみた都久夫須麻神社の装飾に似てますね。
あっちも修復したらこんな具合にきらびやかになるんでしょうか?
美しく色を塗りなおしたところをみてみたい気がするようなしないようなw。
歴史を感じさせる風合いが残っててくれるのもありがたいことだと思います。
そんな国宝の門をくぐって、観音堂内部も美しく装飾されています。
当然堂内の観音さまは固く閉ざされた厨子の中でした(^^;)
次にご開帳されるのはいつかな~?

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宝厳寺唐門
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宝厳寺唐門(内側から)
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宝厳寺観音堂(内部)

唐門、観音堂を拝観してから本堂方面へ。
竹生島は弁天さまを祀る島です。
宝厳寺も都九夫須麻神社もご本尊は弁天さま。
神社的に言うと「市杵嶋比売命(いちきしまひめのみこと)」ですね。
水の女神で、お寺や神社の境内に池があったりすると弁天さまの小さな祠があったりします。
琵琶湖という日本一の湖を守る日本一の弁天さま、それを祀る神仏習合の社寺。
ここにもプリミティブな湖に対する畏敬の信仰を感じます。
諏訪湖には諏訪大社があり、比叡山には日吉大社、三上山に御上神社があるように、日本の山河や湖水といった自然に対して日本人は歴史が始まる前から畏れ敬い感謝の念を捧げてきたのだと思います。
そうした信仰は脈々と受け継がれ現代に至っている。
森羅万象に対して敬意と愛情を。
自然破壊、環境汚染が叫ばれる現代において、そうした日本の伝統的な信仰を思い起こすことこそが大切と考えさせられます。

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竹生島遠景

再び船に乗り込んで彦根港に戻ります。
行きはひんやりしてた空気も帰りは暖か。
彦根港に近づくと遠くに彦根城がみえることに気づきました。
このあとお城に行こうかな~とも考えましたが、やはり桜の季節がいい。
この秋に神社仏閣を堪能して、来年の春に桜の彦根城で滋賀の国宝建造物巡りを締めくくろうと思いました。

港に戻ったら昼食の時間、彦根でもラーメンw。
彦根のお気に入り店「にっこう」に行こうかと思いましたが、そのすぐ近所に新しくお店ができてるらしい。
麺や江陽軒」で「中華そば・全部のせ」魚介系ダシの利いたスープに食べやすい細麺、ミディアムレアのチャーシューも味玉も\(^▽^)/ウマウマ~☆
こりゃ今後彦根に来たら「にっこう」とどっちにするか迷いそうだw。

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中華そば・全部のせ@麺や江陽軒

午後から引き続き散策をしようと思ったんですが、空に雲が多くなってきた。
西国三十三所つながりで観音正寺長命寺に行こうかと思いましたが竹生島で満ち足りてしまったのでまたの機会に。
これにて撤収といたしました。

紅葉の季節は間近。
延期している旅行に湖東三山・湖南三山と、11月も忙しく走り回ることになりそうです(^^;)