のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

播磨国宝探訪

8月ももうあとわずか。
16日の五山の送り火を撮りに行かなかったことで、ここまで8月の写真撮影ゼロ(^^;)
そもそも少ない休日、天候にも恵まれない中できょうが8月最後の休日。
写真撮りに行きたい病がうずいちゃってw。

忘れかけてますが、ことしは「兵庫の年」。
特に撮りたいと思う旬の花もない中、こういう時こそ国宝建造物を撮りに行こう♪
そんなわけで向かうは大阪・神戸を飛び越えて加古川方面。
早朝に出発して大阪・神戸あたりの渋滞を回避する必要があるので、近畿圏内といってもやっぱり少し遠いな~と感じます。

で、最初に向かったのは加東市朝光寺
651年に法道仙人が権現山に開基したとされる古刹です。
法道仙人は天竺から紫の雲に乗って日本へやって来たという半ば伝説上の人物です。
平安末期に現在の地に移転・再建され、室町時代に京都の三十三間堂の観音像の一つを移して本尊としていまの本堂が建てられたそうで、この本堂が国宝に指定されています。
誰もいない駐車場からせせらぎに沿って細い参道を進むと唐突に石段の上の山門が。
受付等もなく参拝も自由。
早朝出発して最初にここに来たのはこれが理由だったりしますw。
小さな境内に国宝の本堂と多宝塔、鐘楼といった建造物。
この寂れた雰囲気がいいいですね♪
先ほどのせせらぎの上流に向かうと「つくばねの滝」と呼ばれる滝があるとのこと。
三脚用意して来なかったけどとりあえず行ってみよう。
それほど落差のある滝ではありませんが、二手に分かれた滝の音が何とも涼やか♪
何となく京都大原、来迎院音無の滝を思い起こす雰囲気でした。
三脚はないけど手持ちで可能な限りの長時間シャッター(1/10秒くらい?)で撮影(^^;)

朝光寺山門
朝光寺本堂(国宝)
つくばねの滝

続いては、小野市に移動して浄土寺
元々近くにあった広渡寺というお寺を、鎌倉時代初期に重源が現在の地に移して再興したのがこの寺だそうです。
重源は平家によって焼かれた奈良の東大寺を復興したことで有名ですね。
重源が東大寺復興に際して、東大寺別所を全国七カ所に設置したうちの播磨別所がこの浄土寺です。
ご本尊は薬師堂(本堂)の薬師如来浄土堂阿弥陀堂)の阿弥陀如来の2つだそうです。
この2つのお堂が向かい合うように境内に建てられています。
2つのお堂は似たような形をしていますが、薬師堂が鈍色なのに対して浄土堂は丹塗りが鮮やか。
この浄土堂が国宝に指定されています。
境内参拝は自由ですが、この浄土堂の内陣を参拝するのに参拝料が必要。
早速中に入ると、ど~んと天井まで頭が届きそうな大きさの阿弥陀さまの立像と両脇に勢至・観音菩薩という阿弥陀三尊像。
堂内にはこれ以外何もありません。
ただただ圧倒される大きく美しい三尊像。
今まで拝観した仏像の中でも屈指のみごとな仏像。
慈愛に満ちた表情から足元の飛雲の造形まで、本当にすばらしい!
それを手で触れられるくらいの近さで(触れてはいけません!)360度ぐるり一周して観ることができます。
建物の予備知識はあっても堂内の仏像については何も下調べせずに拝観しましたが、そういえば…
重源→東大寺→慶派仏師と連想がつながりました。
はい、快慶作の国宝の仏像とお堂を出たあとで知って、なるほどの美しさでした☆
ちなみに薬師堂の薬師さまは秘仏で拝観できません。残念(^^;)
薬師堂の方は浄土堂と似た建物ですが一度焼失して再建されているそうです。
ほかにも境内の郷社八幡神社などが特徴的です。

浄土寺浄土堂
浄土寺薬師堂
百日紅

この時点で10時前、お昼までにもう1件行っとこう♪
加西市西国三十三所第二十六番・一乗寺
こちらは結縁御開帳以来2度目の参拝です。
以前参拝した時はあまり天気が良くなかったなかご開帳優先で参拝したので再度イイ天気の時に参拝したかったんです♪
朝のうちこそ雲が多い空模様でしたがこの時点で青空が広がってきました。
さすがのりりん晴れオトコ♪
まず受付を通ると白黒のにゃんこ2匹がお出迎え。
やたら人なつっこい子たちで寄ってくる寄ってくるw。

一乗寺のにゃんこ

一乗寺も朝光寺と同じく伝説の法道仙人による開基といい、国宝の三重塔平安時代の1171年と建立年が明らかな貴重な建造物です。
懸造の大悲閣(本堂)も観音霊場らしい建物ですね☆
この本堂から眺める三重塔と山並みの風景もイイ☆
ほかにも大小さまざまなお堂が重要文化財等に指定されています。

一乗寺三重塔
一乗寺本堂
本堂からの眺め

そろそろお昼。
最後に加古川市内の鶴林寺に行くので加古川駅前のベルデモール商店街にあるラーメン店、店名にそそられて「肉そば麺達(本店)」で「特盛肉そば」鶏がら醤油に背油ちゃっちゃの飽きのこないスープに細めの麺、そしてこれでもかと入ったチャーシューは赤身で厚めボリューム満点\(^▽^)/ウマウマ~☆

特盛肉そば@肉そば麺達

というわけで、最後に鶴林寺
こちらも関西花の寺二十五所巡りで一度参拝しています。
ホントは前回撮れなかった菩提樹の花が咲く6月頃に訪れたかったんですが、天候に恵まれずじまいでした。
まあでも花は花、今回は建造物に集中しましょうw。
創建は崇峻天皇2年(589年)に聖徳太子が当時物部守屋に迫害されて播磨の地にいた高麗僧・恵便(えべん)のために秦河勝に命じて建立させたといいます。
天台宗のお寺で国宝の本堂に鎮座するご本尊は薬師如来
60年に一度ご開帳される秘仏だそうですが、お前立が本堂とは別の新薬師堂に安置されています。
前に立ってないお前立さま、そしてお前立さまらしくない大きさw。
周りには十二神将まで従えてます。
ちなみに本堂と新薬師堂の間あたりに菩提樹の樹があります。
今は青々、もちろん花はつけてません(^^;)
前述の通り聖徳太子にゆかりのあるお寺で、もう一つの国宝は太子堂
兵庫県下で現存最古の建造物で、1112年のものだそうです。
檜皮葺とその形状が京都の東寺や高野山の「大師」堂に似てる気がします。
名前が似てるせいかな?(^^;)

鶴林寺本堂
鶴林寺太子堂
百日紅

はじめてのお寺と久しぶりのお寺を2件ずつ計4件、今回はこれにて撤収。
これで兵庫県下の国宝建造物11件14棟をコンプリートすることができました☆
(まあ、そのうちの5件8棟は姫路城なんですがw)
それでもまだまだ、特に兵庫県下の神社にはあまり参拝したことがないので、「兵庫の年」のことしの今後の課題にしようと思います。
さらに秋花、紅葉もありますしね♪
国宝建造物のまとめ記事もあす以降にアップしようと思います。