のりりんの京都日和

京都府在住ののりりんの徒然ブログ

吉野へ・その2

吉水神社をあとにして、11時過ぎ。
そろそろお腹が減ってきた(^^;)
如意輪寺まで戻るのですが、蔵王堂周辺の商店街を抜けてしまうと食事するところなんてありません。
(当然ラーメン屋もありませんw。)
なので早めに昼食をとることにしました。
たまたま店頭のメニューをみて興味深かった「静亭」にて「山かけ葛うどん定食」。
何が興味深いって、メニューに「カルボナーラ葛うどん」とか「ミートソース葛うどん」なんてのがあってw。
まあ、迷った挙句普通のメニューにしちゃったんですがw。
定食は柿の葉寿司とのセットです。
葛粉を練り込んだ葛うどんはきしめんのような平たい麺でするするのどごしがいいですね(^▽^)ウマ~☆

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山かけ葛うどん定食@静亭
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柿の葉寿司

さて、駐車場から来た道をそのまま…ではなく、中千本の桜の樹々の抜ける吉野森林セラピーロードという森林浴を楽しみながらの散策道。
また谷あいに向かってずんずん下っていくとせせらぎの音が聞こえてきます。
そこからまた坂道・石段を上って、如意輪寺に到着。
如意輪寺は平安時代、延喜年間に建てられ、その後後醍醐天皇勅願寺と定められた寺で、後醍醐帝の御廟所があります。
楠公楠木正成の子、小楠公・正行ゆかりの寺でもある、南朝と縁の深いお寺です。
ちょうど今NHK大河ドラマ太平記」が再放送されていますが、後醍醐帝を思うとどうしても片岡仁左衛門さんのお顔で思い浮かべてしまいますw。
楠木正成武田鉄矢さんですねw。
ドラマでもシーンがあった「桜井の別れ」を再現した「楠公父子像」があります。
湊川の合戦前に参陣を望む子を吉野に送るべく諭す父の姿。
境内で一番眼を引いたのは御霊殿
彩色を施された美しい建物で、堂内には後醍醐帝自身が彫ったという木像と、南朝歴代天皇の位牌が安置されています(非公開)。
周囲は菊の花で美しく飾られています。
この建物を拝観しつつ、京都天龍寺往生極楽院を思い出しました。
似ているというわけではないんですが。
多宝塔も大きくて立派ですね☆
大きな枝垂れ桜の樹が脇にあって、これも往生極楽院を思わせる雰囲気を感じました。

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如意輪寺御霊殿
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多宝塔

そして後醍醐帝の廟所。
後醍醐帝はこの吉野の地から京都のある北方を向いて崩御されたといいます。
京都で多くの社寺をみて歴史を学んできたボクが、京都を思い京都への帰還を祈念し続けた後醍醐帝ほか南朝歴代の天皇とそれを支え続けた人々が過ごした吉野の地を訪れるということ。
それはとても意義深いことだと感じました。

個人的に、日本の歴史において3大ミステリーがあると思っています。
ひとつは古代、天智天皇天武天皇の関係。
もうひとつは明智光秀織田信長を討った理由。
そしてもうひとつが、近代に入って明治政府が南朝を正統とみなしたこと。
南北朝時代足利義満によって合一がなされ、当初南朝北朝天皇が交互に即位する取り決めだったのが、その取り決めはやがて反故にされ、以来北朝天皇皇位を継いできました。
つまり、明治天皇も今の天皇陛下も、北朝の家系のはずです。
なのになぜ南朝が正統なんでしょう?
そこには天皇家と日本史の深い闇が隠されているのではないか、などと考えたものです。
吉野の地を訪れて感じたのはそういう歴史ミステリーではなく、南朝という存在自体への深い畏敬と供養です。
明治政府による南朝歴代天皇に対する最大限の顕彰と供養のこころが「南朝こそ正統」という認定ではないかということ。
情緒的で歴史学とは呼べない感情論ですが、吉野の地を訪れてそうした気持ちになったのです。
もっともっと知りたい「太平記」の時代。
吉野に来てまだまだ学ぶべきことが多いと感じたのでした。

山道・石段を下って上ってヘトヘトになっちゃいましたが、最後に下千本に下って後醍醐天皇を祭神とする吉野神宮に参拝しました。
広い境内に参拝客はまばら。
紅葉がキレイです☆
今回吉野に来て感じたこと思いを巡らせたことを反芻しながらお参り。
なんだ、あるじゃないか。
出雲にまで行かなくっても判官贔屓で天邪鬼なボクにピッタリな場所がここにも。
吉野ってそういうところなんだ。
そう感じたのでありました。
そういえば、吉野の地は判官贔屓の語源の源義経静御前と過ごした最後の地としても有名でしたね☆

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吉野神宮
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紅葉

帰りはもと来た高速ルートではなく奈良を貫いて北上。
こちらも京奈和バイパスができてる部分は無料区間ですいっと走れるので、結局大阪の方を回っても回らなくても時間はさほどかわりませんね♪
今回はじめて訪れた吉野の地。
奥千本方面まで行く時間も体力もなかったので、またの機会に。
桜の季節にぜひまた来たい、興味の尽きない吉野でありました☆